
日本全国地震列島。日本は、いつどこで地震が起こるか分からない地域。東京などの都市圏はもちろん、中山間地域においても、住人はいつも地震に備えておかなければ、自分や家族の生命、財産は守れません。
そこで、日本の防災の権威、目黒教授がご指南。連載第20回目は「これからの自助と共助の重要性とは?」。
目黒教授 前回お話した通り、少子高齢化、人口減少や財政的な制約が厳しくなっていく中で、これからは従来型の公助は維持できず、今後はどんどん目減りしていきます。一方で対応しなくてはいけない災害は巨大化・頻発化する傾向にあるので、災害対策の重要性は今後益々高まってきます。そのため、公助の不足分は自助と共助で補わないといけなくなります。
しかし、従来のように、自助と共助の担い手である個人や法人の良心や道徳心に訴えるアプローチはもはや限界です。ここで、災害対策に関しての意識改革が必要になります。一つは前回説明した「新しい公助」です。そしてその次は、災害対策の「コストからバリューへ」と「フェーズフリー」です。これらのキーワードについては、次回以降に詳しく説明します。(次回に続く)
●目黒公郎プロフィール
東京大学大学院情報学環長・教授。専門は総合災害管理、国際防災戦略。内閣府本府参与、多数の省庁の防災委員、日本地震工学会、地域安全学会、日本自然災害学会などの会長を歴任。防災功労者内閣総理大臣表彰などを受賞。
●目黒教授のラジオ連載「みんなのサンデー防災」は、各種の災害がもたらす被害の最小化と、災害時を被災地地域の課題を解決する機会として活用し、発災以前よりもいい地域に改善するために必聴の番組。毎週日曜14時〜全国コミュニティFMで放送中。詳しくは「みんなのサンデー防災」で検索してみてください。
