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【目黒教授のワンポイント防災講座 vol.14】行政の力を知ることの大切さ


日本全国地震列島。日本は、いつどこで地震が起こるか分からない地域。東京などの都市圏はもちろん、中山間地域においても、住人はいつも地震に備えておかなければ、自分や家族の生命、財産は守れません。

そこで、日本の防災の権威、目黒教授がご指南。連載第14回目は、「“行政の力を知る”って、どういうことですか?」。

目黒教授 我々は、国・都道府県・市町村などの行政に所属しています。災害対策における「自助・共助・公助」の中の公助の主体が行政で、この力を適切に理解していない人々は「どんなこともすべて行政でやって下さい」となりがちです。しかし、行政も時間と資源の制限があるので、これに対応することは無理です。

特に、災害対策基本法で対策や対応の基本的な主体となる市町村の能力低下は著しいものがあります。平成の大合併で、市町村数は約3400から約1740に減りました。約半数になったので、面積も人口も随分と大きくなったと思われていますが、人口で見れば10万人以下が、全体の約85%、3万人以下が53%、1万人以下が約30%を占めます。

市町村の行政職員は市町村民100人に1人くらいなので、100万人の都市で1万人、10万人で1000人、1万人では100人です。市町村の行政サービスの質と量は人口で左右されてはいけないので、少なくとも同じ種類の業務、つまり同数の部署が必要になるわけですが、職員数の少ない市町村ではすべての部署に職員を当てられないので、現在、458の市町村で災害対策や危機管理の部署に専門職員がおらず、兼務で対応している状況です。(次回に続く)

目黒公郎プロフィール
東京大学大学院情報学環長・教授。専門は総合災害管理、国際防災戦略。内閣府本府参与、多数の省庁の防災委員、日本地震工学会、地域安全学会、日本自然災害学会などの会長を歴任。防災功労者内閣総理大臣表彰などを受賞。

●目黒教授のラジオ連載「みんなのサンデー防災」は、各種の災害がもたらす被害の最小化と、災害時を被災地地域の課題を解決する機会として活用し、発災以前よりもいい地域に改善するために必聴の番組。毎週日曜14時〜全国コミュニティFMで放送中。詳しくは「みんなのサンデー防災」で検索してみてください。

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