
日本全国地震列島。日本は、いつどこで地震が起こるか分からない地域。東京などの都市圏はもちろん、中山間地域においても、住人はいつも地震に備えておかなければ、自分や家族の生命、財産は守れません。
そこで、日本の防災の権威、目黒教授がご指南。連載第18回目は「災害対策の担い手にはどんなものがあるのでしょうか?」。
目黒教授 災害対策には自助・共助・公助があることはすでに説明しました。それぞれの担い手は、自助は個人や法人、共助は個人や法人のグループやコミュニティ、公助は国・都道府県・市町村の行政です。
自助は、漢字のごとく自分で助けることで、個人や法人が自らのために、将来の被害の軽減や苦痛を和らげるための対策を練って実施したり備えたりするものです。もちろん、事後対応も含まれます。
共助は、個人や法人がグループやコミュニティを形成して、相互に支援し合って被害を小さくしようとする対策や努力です。
公助は、国・都道府県・市町村などの行政が、公のお金を使って、被害全体をなるべく小さくするための努力です。災害に強いインフラの整備などは公助の事前対策の代表的な対策です。発災後に被災者や被災地に対して行う様々な公的支援は公助による事後対策です。(次回に続く)
●目黒公郎プロフィール
東京大学大学院情報学環長・教授。専門は総合災害管理、国際防災戦略。内閣府本府参与、多数の省庁の防災委員、日本地震工学会、地域安全学会、日本自然災害学会などの会長を歴任。防災功労者内閣総理大臣表彰などを受賞。
●目黒教授のラジオ連載「みんなのサンデー防災」は、各種の災害がもたらす被害の最小化と、災害時を被災地地域の課題を解決する機会として活用し、発災以前よりもいい地域に改善するために必聴の番組。毎週日曜14時〜全国コミュニティFMで放送中。詳しくは「みんなのサンデー防災」で検索してみてください。
