
<J1昇格プレーオフ:徳島1-1磐田>◇7日◇準決勝◇鳴門大塚
磐田が、プレーオフ(PO)準決勝で終戦を迎えた。アウェーで徳島に1-1の引き分け。前半24分にFW佐藤凌我(26)が、5戦ぶりの先発起用に応えて先制点を挙げた。この1点を守りにいったが、後半37分に痛恨の同点弾を献上。規定により、リーグ戦の順位が下だった磐田の敗退が決まった。
1年でのJ1復帰を逃し、来季の舞台もJ2となった。
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選手の思い、サポーターの願いは届かなかった。後半追加タイムのFK。磐田はGK川島永嗣(42)も前線へと上がった。全員で1点をもぎ取りにいったラスト1プレー。ゴール前に送ったボールを弾かれると、無念の笛が鳴り響いた。
安間貴義監督(56)は「今できること、あるものを全部出し切った。後ろめたいものはない。ただ、駆けつけてくれたサポーターやファンの方々に応えられなかったことだけが悔しい」。最重要課題だった1年でのJ1復帰は果たせず、今季の戦いが幕を閉じた。
1-0で迎えた後半37分だった。佐藤が挙げた虎の子の1点を死守していた守備に、ほころびが生じる。サイドチェンジで揺さぶられると、クロスから頭でネットを揺らされた。川島は「最後は自分が守らなければいけない。自分の責任」。決勝進出には勝利が条件の一発勝負で、重すぎる1点がのしかかった。
リーグ終盤3試合は交代カードを使って押し込み、いずれも後半45分以降に得点。劇的な形で勝ち点を積み上げ、最終節で7位からPO圏内の5位に滑り込んだ。その象徴的な存在がFWマテウス・ペイショット(30)だった。しかし、この日は前半に負傷交代もあり、交代枠を使い切った状態で同点ゴールを被弾。指揮官は「1回目のカードを前半で使ってしまったことが大きかった」。切り札も投入することはできず、奇跡は起こらなかった。
来季もJ2を戦う。安間監督は「ジュビロに残るなら、この悔しさと経験を心に刻んでサインをしてくれと選手たちに伝えた」。川島も「ここまで戦ってきたチームの結束、絆は本当にかけがえのない物だと思う。クラブとして、この悔しさを強さに変えてやっていくことが大切だと思う」と振り絞った。
