
日立エナジーが米国で10億ドル超の大規模投資を発表しました。AIデータセンターの急拡大に伴う電力需要に対応するため、バージニア州サウスボストンに4億5,700万ドルの大型変圧器工場を新設し、米国内で数千名規模の雇用創出を目指します。送配電の国内製造強化が、DX時代のインフラ戦略を一変させる可能性を示しています。
AI拡大で迎える“変圧器の国内生産”の復活
日立エナジーは、米国における送配電機器の製造能力を拡大するため、米国史上最大級となる10億ドル超の投資を行うと発表しました。その中核がバージニア州サウスボストンへの約4億5,700万ドル投資による大型電力用変圧器工場の新設です。新工場は既存施設に隣接して建設され、米国内で最大規模の大型変圧器製造拠点になる計画です。これによりサウスボストンでは825名超の新規雇用が見込まれ、米国内の供給網強化と地域経済の活性化が期待されます。
今回の投資は、2020年以降に実施している合計90億ドル超のグローバル投資の一環で、製造能力だけでなく研究開発やエンジニアリング体制の強化も含みます。背景には、トランプ政権のAIアクションプランに伴うデータセンターの急増と、それに起因する高電圧機器や変圧器の需要急増があります。日立側は、国内生産の拡大が変圧器製造のボトルネック解消とエネルギー安全保障の強化につながると位置付けています。
行政側も歓迎の姿勢を示しており、連邦や州の要人が雇用創出とエネルギー安全保障の観点から本投資の意義を強調しています。日立製作所の経営トップは、IT・OT・プロダクトのノウハウを生かして米国の製造業再興とAIインフラ支援を進めると述べています。変圧器という“地味だが不可欠”な機器の国内生産強化が、DX時代の産業基盤を支える重要な一手になり得ることを示しています。
詳しくは「株式会社日立製作所」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部
