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2025年12月、健康保険証がなくなる日。マイナ保険証への移行で何が変わる?


2025年12月2日をもって、従来の健康保険証は新規発行が停止され、マイナンバーカードを健康保険証として利用する「マイナ保険証」への完全移行が進められます。すでに発行済みの健康保険証も有効期限を迎え次第、順次利用できなくなり、最終的には姿を消す予定です。これは政府が進める「デジタル社会の実現」に向けた大きな節目となります。

移行の背景と目的

マイナ保険証導入の目的は、医療情報を一元的に管理し、患者により安全で効率的な医療を提供することです。マイナ保険証を利用すれば、過去の処方薬や特定健診の結果を医師・薬剤師と共有でき、重複投薬の防止や生活習慣病対策の強化につながると期待されています。厚生労働省は「診療の質を高め、国民一人ひとりに合った医療の提供が可能になる」と強調しています。

医療現場の懸念

一方で、医療機関や国民からは不安の声も根強くあります。現場からは「システム障害が発生した場合、窓口業務が混乱する」「高齢者やスマートフォンを持たない人が対応できない」といった指摘が相次いでいます。実際、マイナ保険証の利用率は依然として1割前後にとどまっており、制度の定着には課題が残されています。

また、顔認証付きカードリーダーの導入が遅れている医療機関も少なくなく、「患者がマイナ保険証を持参しても利用できない」ケースが発生しているのも現実です。

「資格確認書」という代替手段

マイナ保険証を利用しない、またはカードを持たない人向けに「資格確認書」が交付されます。これは従来の保険証と同様に医療機関で提示でき、本人の保険資格を確認するための書類です。

ただし、資格確認書はあくまで暫定的な措置と位置付けられており、取得には申請が必要です。厚労省は「高齢者や障害者など、デジタル機器の利用に不安がある人にも受診機会を保障するための仕組み」と説明していますが、申請手続きや周知不足が課題となる可能性があります。

今後の課題と展望

政府は、スマートフォンへのマイナ保険証機能の搭載や、非接触型認証の導入を進め、利便性向上を図るとしています。将来的には診療データと連携し、AIによる診療支援やオンライン診療との統合も想定されています。

しかし、制度定着には「安心して使える」という国民の信頼が欠かせません。情報漏洩リスクやデジタル格差への対応、現場のオペレーション改善が同時に求められており、完全移行のハードルは依然として高いといえるでしょう。

健康保険証の廃止は、戦後長く続いてきた医療制度の形を大きく変える出来事です。マイナ保険証が本当に国民の利便性と医療の質向上につながるのか、それとも混乱を招くのか。制度の行方は今後の運用と周知徹底にかかっています。

詳しくは「デジタル庁」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部小松

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