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【インタビュー】森田望智、「ナチュラルなものだけが正しいわけではない言葉から感じる恐怖がある」映画『火喰鳥を、喰う』事件を追う記者役


原浩による第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞・大賞受賞作を、水上恒司主演で実写映画化した『火喰鳥を、喰う』が全国公開。「死者の日記」から始まったのは、“事件”か、あるいは“怪異”か。原作同様、まったく先読みのできない衝撃のミステリーホラーだ。事件を追う地元紙「信州タイムス」の記者・与沢一香役を演じた俳優の森田望智に本作について話を聞いた。

――森田さんは記者役として映画『火喰鳥を、喰う』に参加されましたが、改めて完成した映画を観ていかがでしたか。

脚本を読んでいた時は、その展開からホラー映画だと思っていたのですが、完成した映画を観て客観視した時に、違う印象を持ちました。

人はいろいろな選択をすることで、ちょっとずつ運命が変わっていくと思うのですが、そういう世界を見せられているような感じでした。それこそ今わたしは自分で選択をしてこの場にいるわけですが、そのことがとても尊く感じるんです。

今、ここにいること自体がありがたいことでホラーの恐怖というよりも心の動きを感じることが多かったです。

――演じられた与沢一香は、新聞記者の役でしたが、最初の印象はいかがでしたか。

与沢さんは個性が強いわけでもなく、物事に中立ということでもない。巻き起こることが現実離れしているので、その普通さ、観ている人からしたら一番感情移入しやすいのかなと思いました。

――一香は、一家の恐怖に立ち向かっていくわけですが、恐怖の演技などどのように演じられましたか。

本木克英監督が頭の中に描いているイメージを強く感じられたので、自分ではあまり意識せず、本木監督の求めているものに応えていけたらいいなと思っていました。

でもひとつひとつの出来事に対して、普通のわたしみたいな人間が不可解なことを間のあたりにしていったらどう感じるだろうかという想いも大切にしつつ、それをも打ち破る記者としての志みたいなものも持っていないとなという、そのふたつの気持ちは演じている上で意識していました。

――彼女は他人として家族に関わっていくので、関係性としても難しいですよね。

そうですね。もともと感情を出すほうではないというか、彼女の役割が大きかったように思います。物語を伝えたりすることは多かったので、だからこそそこに彼女がいるという感じを出すことが難しかったんです。なので、あまり入り込みすぎないようにしていました。

映画だとあるキャラクターが役目を終えて人生をまっとうすることが多いと思いますが、実際は誰もがそうした人生を送るわけではなく、激動の人生ばかりでもないと思うんです。 与沢さんもそうであったように役としての印象や個性を出しすぎないことを心がけました。そういう意味で役をまっとうできたかなと思います。

――今回はかなり客観視しながら役に臨まれたのですね。

演じてる最中は特に意識していませんが、与沢さん自身は頻発する怪異の正体を突き止めて、どうにかして今の状況をよくしようと一生懸命です。客観的に観ていると、そこまでは分からないですよね。でも、自分の中の景色としては必死な感じがあります。

――本木監督はどのような演出をされたのでしょうか。

監督は、セリフを一つひとつ丁寧に届けることをとても大切にされていました。

セリフ以外に「あの」「その」といった自然に出てくる言葉を会話の中に入れていたのですが、撮影中に一度だけ監督から「“あの”や“その”といった言葉を止めて、台本の感じのまま言ってもらえますか」と言われたことがあったんです。

実際にその通りに演じてみて気づいたのは、現実離れした“異常な現象”というものを、観客にとって本当に“恐ろしいもの”として成立させるためには、セリフを一つひとつしっかりと落としていかなければならないということでした。言葉そのものが持つ力や、そこから立ち上がる恐怖というものが確かに存在するのだと感じました。

 

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