LINEヤフーコミュニケーションズと西日本鉄道が進める「Nishitetsu DX with LINE」が2025年度グッドデザイン賞を受賞しました。交通を起点に約20件のサービスが暮らしに入り込み、居住価値を高めた点が評価されています。
受賞の理由と主要サービスの横断的な連携
2021年に締結した「LINEを活用した西鉄グループのDX推進に関する連携協定」を基盤に、両社は交通・商業・観光・社内業務を横断するDXを展開しています。審査委員は、単一のアプリやプロダクトではなく地域の暮らし全体に利便性と快適性を多面的に実装した点を高く評価しました。特にAIオンデマンドバス「のるーと」はLINEミニアプリで配車予約を完結させ、既に別途評価を受けている実績も示されています。
代表的な取り組みは、多様な顧客接点をLINEでつなぐ点にあります。nimocaとのID連携は効率的なマーケティングを可能にし、西鉄天神大牟田線のサイクルトレインはLINE予約アプリ利便性を向上させました。マリンワールド海の中道では順番待ちミニアプリと来館ポイントをLINEで連携し、にしてつキッズしごと体験スクールはLINEでの応募を実現しています。西鉄ストアの「LINEで予約注文」ミニアプリなど、小売や観光と交通をまたぐ約20件の新サービスが、日常の接点を一元化している点が重要です。
審査委員はさらに、この取り組みが鉄道会社のDXのモデルケースになり得る点を指摘しました。CX（顧客体験）とEX（従業員体験）を同時に意識し、単なるツール導入で終わらせない設計が評価につながっています。今後も継続的な発展を期待される一方、各サービスの統合運用やデータ利活用のガバナンス整備が鍵となるでしょう。
西鉄の事例は、交通を核に地域サービスを設計することでDXをローカルに根付かせる好例です。都市や自治体、事業者はこの連携モデルから実装上の優先順位を学べます。
詳しくは「西日本鉄道株式会社」の公式ページまで。
レポート／DXマガジン編集部
