訪日向けアプリ「Japan Travel by NAVITIME」が、第5回日本サービス大賞で内閣総理大臣賞を受賞しました。多言語対応とワンストップ機能、地域データ活用が高く評価された理由を整理します。
受賞の理由とアプリの特徴を紐解く
Japan Travel by NAVITIMEは2025年12月10日、公益財団法人日本生産性本部主催の「第5回 日本サービス大賞」において、応募768件の中から内閣総理大臣賞を受賞しました。2013年10月の提供開始以来、訪日外国人向けナビゲーションとして進化を続けてきた本アプリは、今回特に三つの点で高く評価されています。その一つ目は、旅行に必要な機能と情報をワンストップで提供する点です。ドアtoドアの経路探索や徒歩・カーナビ、列車（新幹線含む）や宿泊、イベントの予約までシームレスに扱える点が評価され、利便性の高さが受賞につながりました。利用者の多様なニーズに応える圧倒的な情報量が、ユニークな旅行体験を生み出しています。
評価の二つ目は、地域や観光事業者との連携による観光資源の発掘です。アプリ利用で得られる行動データを解析し、自治体やDMO、観光事業者向けに提供することで、新たな観光施策や地域の魅力向上に貢献しています。こうしたデータドリブンな取り組みが、観光地の発見や訪問動線の改善に結びついている点が評価されました。三つ目は、共創型プラットフォームとしての役割です。多言語（13言語対応）のユーザー接点と日本側のサービスをマッチングすることで、訪日観光客の体験価値を高め、インバウンド市場の活性化に寄与していることが評価の根拠となっています。
アプリの具体的な機能としては、スポット検索（フリーWiFi、手荷物預かり所など）、観光記事やモデルプラン、旅行プランニングや旅程投稿、ホテル・アクティビ予約などが挙げられます。さらにアプリから得られるデータを自治体等に分析提供することで、ローカルの観光戦略や新たな観光資源の発見を支援しています。今回の受賞は、第8回「ジャパン・ツーリズム・アワード」経済産業大臣賞や2024年度グッドデザイン賞に続く三つめの評価であり、サービスとしての継続的な磨き上げがうかがえます。ナビタイムジャパンは今後も企業・自治体との連携や行動データ分析を通じて、移動と観光のソリューション提供を進めていくとしています。
今回の受賞は、利便性とデータ活用を両立させた観光DXの成功例と言えます。地域側の課題解決につなげる継続的なデータ利活用が今後の鍵となるでしょう。
詳しくは「株式会社ナビタイムジャパン」の公式ページまで。
レポート／DXマガジン編集部
