
雨の日の“困った”が、少し未来の“当たり前”に変わろうとしています。京急電鉄とNature Innovation Groupが連携し、傘シェアリングサービスの駅導入を京急線66駅へと一気に拡大。駅とマンションをつなぐ新しい傘の循環設計により、濡れずに移動できる利便性が高まるだけでなく、電車内の忘れ物削減や環境負荷の低減にもつながる取り組みとして注目を集めています。
京急線全体への拡大とマンション導入の狙い
京急電鉄と株式会社Nature Innovation Group(アイカサ)は連携を強化し、アイカサのレンタルスポットを京急線の66駅に拡大しました。今回の追加導入は12月8日に行われた35駅分で、7月の第2弾設置に続くもので、京急線での利用可能駅数は約2倍に増加しています。両社は京急線全駅へのレンタルスポット導入を目指しており、沿線利用者の利便性向上を進めています。
サービスの利用イメージは、乗車駅で傘を借り、降車駅で返却するというシンプルな流れです。これにより「雨の日に濡れた傘を持って電車に乗らずに済む」移動が可能になり、電車内での傘の忘れ物削減にもつながるとしています。外出先で急な雨に見舞われた際の一時的な利用にもしており、沿線の回遊性向上にも寄与する設置効果が見込まれます。
さらに京急電鉄の分譲マンション「PRIME」シリーズでも導入を拡大します。今回、2026年3月入居開始予定の「プライム東神奈川」をはじめ、プライム品川南大井(2027年3月予定)、プライム横浜(ヒルズ:2027年3月、ヴィラ:2027年6月予定)の3棟にレンタルスポットを設置し、入居者には一定期間無料でサービスを提供します。現在すでに8棟で提供しており、マンションシリーズでの導入数は国内最多です。
本取り組みは、アイカサが京急のオープンイノベーションプログラム「KEIKYU ACCELERATOR PROGRAM」第2期の採択企業である点が背景にあります。京急のプログラムはスタートアップとの共創を通じ、移動とまち創造に関わる新たな価値創出を目指しており、本件はその一環として実施されています。加えて、鉄道事業者や関連企業が参加するクラスター「TRIP」の支援も受け、持続可能でスマートな都市交通実現への取り組みとして位置づけられています。
設置拡大によって、沿線住民や通勤・通学利用者は雨天時のストレスを軽減でき、マンションと最寄駅にスポットがあることで「雨に濡れない移動」を実現します。京急とアイカサは今後も利用者の利便性向上と沿線地域の活性化、そして環境負荷の低減に努めるとしています。
京急との連携で駅網に広がった「アイカサ」は、実需に即した生活DXの好例であり、鉄道とシェアリングの接続が利便性を現実に変えています。
マンション導入による日常的な利便性提供は、沿線での回遊促進と忘れ物削減、そして資源循環の一歩となるでしょう。
詳しくは「株式会社Nature Innovation Group」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部
