株式会社大京アステージおよび株式会社穴吹コミュニティは、2025年10月より、Amazonおよびヤマト運輸「EAZY」配送に対応した「置き配」システムを、両社が全国で管理する既存分譲マンションに無償で順次導入すると発表しました。
近年、EC利用が拡大する中で宅配便や再配達の負荷が大きくなっており、玄関先や宅配ボックスなど居住者指定の場所に荷物を届ける「置き配」への期待は高まっています。しかし、オートロック付きマンションでは配達員が入館できない、宅配ボックスが満杯になるなどの理由で、置き配が制限されてきたという課題があります。
今回導入されるシステムでは、既存オートロック付きマンションに後付け可能な端末を設置し、登録済み配達員に対して一時的な入館権限を与えることで、各住戸の玄関先への置き配を実現します。無償導入が前提となっており、管理組合に初期導入費用がかからない点も特徴です。
具体的には、ヤマト運輸「EAZY」に対応する「bitlock GATE」端末と、Amazon対応の「Amazon Key」端末の2種類を設置します。これにより、配達員は専用端末で一時的にオートロックを解錠し、置き配することが可能になります。配達後は配送業者アプリで配達完了時間を管理します。
導入対象は、大京アステージ・穴吹コミュニティが管理する約1万棟の分譲マンションの中で、一定の条件を満たす物件です。将来的には管理戸数約9,998棟／約53万戸規模を基盤とする体制で、DXを活用した次世代型マンション管理サービスを推進する「MiDD Project」の一環と位置づけられています。
居住者のメリットとしては、不在時や宅配ボックス満杯時でも玄関先で荷物を受け取れる利便性が見込まれます。また、居住者が自分のスマートフォンを使ってオートロックを解錠できる仕組みとの連携も可能とされており、生活利便性の向上が期待されます。
ただし、導入にあたっては、マンション管理組合との合意形成、端末の運用管理、セキュリティ運用、既存建物への後付け施工といった現場課題も想定されます。これらをどう解消していくかが、システム普及の鍵となるでしょう。
詳しくはオリックスグループの公式サイトまで。
レポート／DXマガジン編集部
