
京浜急行バス株式会社は、株式会社findが提供する「落とし物クラウド find」を導入し、12月10日から遺失物に関するチャット問い合わせを開始します。対象は、京急バスが運行する路線バス、貸切バス、高速バス、特定バスに加え、羽田空港内の京急バス乗車券売機付近で預かった忘れ物です。受付は24時間で、対応は9時から22時まで行い、21時以降の新規問い合わせは翌朝9時以降に順次回答します。従来は登録に時間がかかり、警察署への移送手続きでも書類準備の負担が大きい課題がありました。「落とし物クラウド find」は画像登録と生成AIによる自動入力で登録作業を効率化し、警察署提出用書類もシステム内から作成と印刷が可能です。これにより、スタッフの業務負担を減らし、顧客対応のスピードと質の向上が期待されます。
多言語対応のfind chatで利便性を向上 アプリ不要の即時利用を実現
Find chatは、メールアドレスでの簡単認証のみでブラウザからすぐに利用でき、アプリのインストールは不要です。対応言語は日本語、英語、中国語の簡体、韓国語で、訪日客を含む幅広い利用者の問い合わせに応えられます。チャット経由での案内は、電話混雑の緩和や情報の取り違え防止にも寄与し、紛失から発見までの時間短縮が見込まれます。京急バスは、チャネルを増やしつつも受付と回答時間を明確化し、期待値の調整を図っています。業務側では、生成AIによる入力支援と書類自動化を組み合わせ、登録の標準化とミス低減を進めます。利用者側と運用側の双方に効く設計が本導入のポイントです。
実務への示唆 交通事業者が取るべき次の一手
同様の取り組みを検討する事業者は、まず問い合わせデータの分類と平均対応時間の可視化から着手するとよいでしょう。画像アップロードと自動入力のテンプレート設計を見直し、誤登録の検知ルールを運用に組み込むことで、再検索の工数を抑制できます。多言語対応では、定型フレーズの品質管理と用語統一を行い、ピーク時の回答品質を平準化します。利用者向けには、対象範囲と対応時間の明示、受領証画像の活用など、期待値を合わせるガイドを提示すると混乱が減ります。社内では、警察署提出書類の作成フローを標準手順化し、監査ログで追跡可能性を確保することが重要です。
詳しくは「株式会社find」の公式ページまで。
