
サービス開始からわずか2年半で累計返却100万件。京王電鉄を皮切りに鉄道・空港・商業施設へと広がる「落とし物クラウドfind」が、画像AIで落とし物対応の常識を変えつつあります。なぜ急成長したのか、その理由と現場への影響を追います。
急拡大の背景と現場にもたらす効果
株式会社findの「落とし物クラウドfind」は、2023年5月の京王電鉄への正式導入を起点に、鉄道、商業施設、タクシー、空港など多様な現場で採用が進んでいます。プレスリリースによれば、2023年11月時点で約2万件だった累計返却数が、2024年11月には約30万件、そして2025年11月には約100万件に達しました。導入施設の拡大と多言語対応、そして利用者の利便性向上が、短期間での指数的成長を後押ししています。
技術面では、利用者やスタッフが撮影した画像を登録し、AIが特徴を自動入力して類似検索を行う仕組みが中核です。これによりスタッフの手入力負担が減り、色や形など視覚情報を正確に扱えることでマッチング精度が向上しました。警察署との連携やワンストップのコミュニケーション機能も備え、返却プロセスの迅速化とユーザー安心感の向上に寄与しています。利用者の声として「すぐに連絡が来て安心した」「旅行の思い出が戻った」といった実例が紹介され、サービスが日常の安心に直結していることがうかがえます。
運用面では、導入先で返却率向上や業務負担削減が確認されています。画像AIる自動入力やダッシュボードで保管・返却フローが可視化され、現場の業務効率が改善しました。また、廃棄コスト削減やリユース事業との連携といった循環型モデルの検討も進んでおり、findは単なる検索ツールを超えて運用データを活かすプラットフォームへと進化を図っています。これらの取り組みが、落とし物対応を社会インフラ化する動きにつながっています。
詳しくは「株式会社find」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部
