警視庁が提供する防犯アプリ「デジポリス」に、海外からの着信通知を遮断する機能が追加されました。特殊詐欺の約8割が「+」で始まる国際電話を悪用している実態を踏まえ、所定の設定を行うだけで詐欺に使われやすい国際番号からの着信通知を自動で遮断できるようになったことがポイントです。痴漢撃退や見守りなど既存の防犯機能と組み合わせ、利用者の安全確保を一段と強化する狙いがあります。OSによってブロック方法が異なるため、導入時には注意が必要です。
今回の機能追加は、発信元の特定が難しい国際電話が詐欺に悪用されやすいという現状への実務的な対策といえます。ユーザーはアプリ内の設定を有効にするだけで、危険な着信通知を受けにくくでき、無意識のうちに応答してしまうリスクを低減できます。特に高齢者や家族の見守りが必要な世帯では、スマートフォンの基本設定に加えてデジポリスの遮断機能を重ね掛けすることが有効です。また、OS仕様の差異により挙動が異なるため、端末ごとに設定手順を確認し、実際にテスト着信で動作確認をしておくと安心です。加えて、アプリの通知は常にオンにし、アップデートの配信があれば速やかに適用することをおすすめします。
デジポリスは、防犯情報をまとめて確認できる点も実務に役立ちます。トップ画面で登録地域の犯罪発生状況を一覧できるほか、「最新のメールけいしちょう」や「最新のアポ電情報」などがリアルタイムで更新され、注意喚起を迅速に受け取れます。日常的にアプリを起動し、地域の傾向を把握しておくことで、不審な電話や訪問への初動対応が素早くなります。企業の総務やコールセンターでは、従業員の私用端末でも本機能の活用を促し、詐欺電話への応対ルールや折り返し確認の手順を社内教育に組み込むと効果的です。家庭では、家族間で不審な電話の共有ルールを決め、留守番中に電話に出ない運用など、アプリと行動ルールをセットで実践すると被害防止につながります。
