
NECと現地法人NEC Africaがコートジボワール農業省と連携し、eバウチャーとCropScopeで3万ヘクタール分の圃場情報を整備します。種子や肥料の公平配布と営農支援の効率化で、緊急食糧安全保障の強化に献する取り組みが始まりました。
eバウチャーとCropScopeで何が変わるか
NECはコートジボワールで主要作物である米、キャッサバ、メイズを対象に、農家と圃場の情報を正確に把握・管理するプロジェクトを開始しました。本事業はJICAとアフリカ開発銀行による協調融資による「緊急食糧安全保障」資金を活用するもので、まずは30,000ヘクタール分の圃場データベース構築を目標としています。NECおよび現地法人NEC Africaが現地導入を担い、農業省と連携して段階的に展開するとされています。CropScopeにより圃場の位置や面積、作付け履歴などを整備することで、これまで把握が不十分だった農地の実態が見える化されることが期待されます。
eバウチャーはIDカードとスマートフォンを用いて農業資材の配布履歴を電子化する仕組みです。ID発行時に生体情報を登録することで、不正利用の抑止が見込まれます。デジタルで履歴を可視化することで、支援資金のトレーサビリティが向上し、種子や肥料の公平な供給につながる設計です。また、地域の販売業者や物流と連携することで在庫管理や配送の最適化にも寄与すると期待され。これにより必要な農家が適時に資材を受け取りやすくなり、生産の安定化に資する可能性があります。
CropScopeは営農支援の効率化にも寄与します。圃場ごとのデータを基に生育モニタリングや営農指導員の巡回を支援し、将来的には最適施肥や収穫時期の提案といった営農アドバイス機能の提供が想定されています。現地導入に際してはスマートフォン普及状況や電力・通信インフラ、デジタルリテラシーといった課題があるため、NECは現地トレーニングや低帯域対応のUI設計、生体認証に伴うプライバシー配慮を重視するとしています。これらを通じて行政による支援効果の可視化と不正抑止の両立が期待されます。
詳しくは「NEC」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權
