
保健師の記録や報告業務をデジタルで刷新する新システムが、日立と大阪市の協働で2026年4月から順次稼働します。紙やExcel中心の運用を変え、保健師が本来の支援に注力できる環境を目指します。
現場に寄り添う設計とAI活用で事務負荷を削減する仕組み
![[イメージ]システムの概要イメージ](https://www.hitachi.co.jp/Div/jkk/press/news/image/img_20251002_1.png)
大阪市の保健師が抱える記録作成や報告の負担を軽減するため、株式会社日立製作所は家庭訪問や保健指導などを支援する新システムを構築し、2026年4月から段階的に稼働させます。背景には少子高齢化や相談の複雑化による業務増加、そして紙やExcel中心で情報が分散している現状があります。大阪市のDX戦略に沿い、住民サービスの充実と保健師の業務継続性確保を目的としています。
本システムは保健師の業プロセスを踏襲した直感的なポータルを備え、支援対象者の登録・検索、相談記録作成、予定管理、保健師の情報検索・登録、活動登録・出力などがワンクリックで開始できる設計です。記録票や報告書はデジタルデータとして一元管理され、支援対象者起点での横断検索や情報の一括登録が可能になります。担当変更時の引き継ぎもシステム上で容易に確認できる点が強調されています。
さらに、生成AIとAI‑OCRを活用した文字起こしや文章要約・校正機能により、音声や画像から相談記録や議事録を効率的に作成できます。これにより保健師はヒアリングに集中でき、記録作成の手間を削減できます。活動報告については、カレンダーや相談記録のデータから日・月・市区単位の集計を自動作成し、報告書作成の負荷を大幅に軽減します。デジタルワークフローにより、統括保健師による確認・修正指示も円滑に行えます。
システム構築にはServiceNowのAPP EngineおよびWorkflow Data Fabricを活用しており、初期フェーズ(第1次開発)では支援情報管理、記録表作成、活動集計・報告書作成、保健の職務能力情報管理などが実装されます。将来的には対象範囲の拡大や住基システムとの連携も検討されており、日立は今後も大阪市の保健師活動DXを支援していきます。
詳しくは「株式会社日立製作所」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權
