
閉幕後に建築物のリユース・リサイクル率99%超、廃棄率1%未満を宣言しました。97tのリサイクル鉄、1.2tの銅、洗濯機ガラス由来の749m2舗装ブロック──万博が生んだ“循環”の全貌に迫ります。
数字で読むノモの国の循環設計
パナソニック ホールディングス株式会社が出展した「ノモの国」は、展示を除く建築物で重量ベースのリユース・リサイクル率99%以上、廃棄率1%未満を目標に掲げました。主要な柱や梁には家電リサイクル鉄約97tを使用し、パナソニックETソリューションズ社やパナソニック オペレーショナルエクセレンス社が東京製鐵社と連携して再資源化ルートに戻します。幹線ケーブル891m、約1.2tの家電リサイクル銅は三菱マテリアル社と協業し、素材として循環させます。外構の舗装ブロック749m2は使用済み洗濯機約9,200台分のガラスを原料にした世界初の試みで、一部165m2を大林組の実験棟「オープンラボ3」へ移設し、残り584m2は門真本社構内へ移設して再利用します。
照明40台やスピーカー12台を含む約30品目180点の設備機器やウッドデッキ、監視カメラなども大林組側でリユースします。さらにファサードフレームや照明類は東邦レオ社や有限会社永山祐子建築設計との協業で、2027年国際園芸博覧会の一部に転用される計画です。トイレ設備「アラウーノ」は京都大学へ移設され、事務所棟のプレハブやレンタルAV機器は返却されます。パナソニックは長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」の下、建築部材の再資源化とリユースを徹底し、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会の掲げる98.1%のリサイクル率達成にも貢献するとしています。
詳しくは「パナソニック ホールディングス株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權
