
JALとバンダイナムコフィルムワークスが『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』と連携し、京都・大阪・神戸を舞台にしたAR周遊プログラムを開始します。推し活を起点に移動・消費・体験をデジタルで一体化し、地域への新たな人流と経済波及を目指す試みです。
推し活を軸にした周遊体験と周辺サービスの一体化
日本航空(JAL)、J-AIR、バンダイナムコフィルムワークスによる本企画は、2025年11月7日公開予定の映画連動で京都・大阪・神戸のロケ地を巡る周遊体験を提供します。スマートフォン向けアプリ「ホロモデル」を用い、虹ヶ咲学園メンバーが画面に現れて一緒に写真撮影ができる演出や、現地クイズで映画のカットをコレクションする仕組みを組み込んでいます。全3コースを販売し、販売期間は2025年10月6日12:30〜2026年5月31日23:59、設定期間は2025年11月7日〜2026年5月31日の購入分までです。価格は1コース3,300円3都市満喫パックが8,800円(税込)で、参加者にはJALオリジナル描き下ろしグッズが特典として付与されます。さらにJ-AIRの機内販売および「おうちで機内販売」での限定グッズ提供や、ロケ地での声優イベント実施予定により、現地での消費機会や再訪を促す仕掛けが整っています。
本企画が目指すDXの核は、デジタル演出と交通・物流の連携による“摩擦の低減”です。ホロモデルのAR演出はファンの没入感を高め、現地での滞在や回遊を促進します。加えてJALは手荷物当日配送の割引を用意し、到着後の移動負担を軽減することで周遊しやすさを担保します。JAL MaaSは飛行機・電車・バス等の乗換案内と、マイルがたまる乗車券や大阪周遊パスの販売を通じて移動の利便性を高め、観光DXと連動したサービス設計を実現しています。なおホロモデル利用はスマートフォン必須であるため、端末未保有者への対応は利用時の注意点として明示されています。
この取り組みはコンテンツの情緒的価値をデジタルで拡張し、JALが持つ路線網や地域とのつながりと、バンダイナムコフィルムワークスが持つ世界に届くコンテンツ力を掛け合わせたものです。企画を通じて得られる来訪データや参加状況は、地域の回遊導線やイベント配置の改善に生かせる可能性があります。短期的にはグッズ販売やイベント参加による地域内消費の拡大が見込まれ、長期的には限定コンテンツや継続的なデジタル配信で関係人口を育てる設計になっています。JALとバンダイナムコフィルムワークスは、こうした観光DXを通じて「クールジャパン戦略」に資し、地域経済の活性化を目指すとしています。
推し活を起点に移動と消費を連結する設計は、地方誘客の新たな有力モデルになり得ます。技術演出と交通・物流サービスが一体化するかどうかが成功の分岐点です。
詳しくは「日本航空株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部
