
東横INNは国内342店舗、約1万8千人の従業員を対象に、サービス業特化の職場マネジメントアプリ「はたLuck」の本格導入を開始しました。テスト導入で得た情報共有と品質管理の改善を全社展開に繋げる狙いです。
導入の背景とテストでの成果
東横INNは、全国46都道府県で78,831室(2025年9月時点)を有するビジネスホテルチェーンとして、職場のDX推進を進めています。今回、株式会社HataLuck and Person(HATALUCK)が提供する「はたLuckアプリ」を国内342店舗に順次導入することを発表しました。導入は2025年7月から開始され、導入対象は従業員約18,000人規模です。導入判断は、2024年4月に23店舗で実施したテスト導入の検証結果を踏まえたもので、現場での情報共有と品質管理に一定の効果が確認されたことが理由として挙げられています。東横INNは「おもてなしと労働生産性」「多様な働き方と人財活躍」「現場力と組織力」を柱に、人財組織戦略の一環として本ツールを位置づけています。
「はたLuckアプリ」はサービス業に特化した職場マネジメントアプリで、シフト・コミュニケーション・マニュアル・エンゲージメントの機能をオールインワンで搭載しています。シフト機能はスマートフォンでの閲覧や提出を可能にし、コミュニケーション機能では「連絡ノート」にテキスト・写真で情報を共有でき、既読や反応も確認できます。マニュアル機能は現場ごとの手順をデジタル保存し、現場従業員がいつでも参照できる点が特徴です。さらにAPIが充実しており、他システムとの連携余地がある点もプレスリリースで強調されています。2019年の提供開始以降、ホテル、外食、小売など幅広いサービス業で導入実績があります。
テスト導入(23店舗)での成果としては、フロントとパントリー間の情報共有が紙や付箋からデジタル投稿に置き換わり、伝達速度と確実性が向上した点が挙げられます。客室メイキングのチェック結果も、従来はタブレット1台に集約されていたのに対し、はたLuckアプリに投稿することで清掃スタッフが自分のスマートフォンで個別にリアルタイム確認できるようになり、改善サイクルの回転が速まったと報告されています。現場の支配人やスタッフからは、写真付き共有や「見ました」反応による確認、引継ぎの予約投稿、台風時の一斉連絡など運用面での利便性が高く評価されています。東横INN代表の黒田麻衣子氏、HATALUCK代表の染谷剛史氏双方のコメントは、現場の声をプロダクトに反映させる姿勢と今後の連携強化の意欲を示しています。
・編集者コメント
現場目線で設計されたツールの全社導入は、情報共有の標準化と品質向上に直結する可能性が高いでしょう。今後はAPI連携と運用定着をどう進めるかが継続的な効果の鍵になることを期待します。
詳しくは「HATALUCK」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權
