おうち病院を運営する株式会社アナムネが、処方薬の当日宅配「おくすりおうち便」を2025年11月27日から東京23区に加え横浜市・川崎市へ拡大します。受付締切や料金改定など、オンライン診療と配送を結ぶ“生活直結のDX”が一歩進むニュースです。
株式会社アナムネは、オンライン診療サービス「おうち病院」における処方薬配送サービス「おくすりおうち便」の当日配送エリアを、2025年11月27日から東京都23区に加えて神奈川県横浜市・川崎市まで拡大すると発表しました。これにより、平日・土日祝の受付締切時間に応じて、当日22:00までに指定住所へ届ける運用が実現されます。具体的には東京23区・横浜市・川崎市で、平日はオンライン服薬指導が18:00まで、土日祝は13:00までに完了すれば当日中の配送が可能です。
今回の拡大は、オンライン診療から処方箋発行、オンライン服薬指導、配送までを担う拠点薬局と精緻に連携したオペレーションによって成立しています。おうち病院は大手調剤薬局および調剤薬局併設ドラッグストア約7,600施設と連携して在庫や受け取り場所の柔軟性を確保しており、現在の利用者の約25〜35%が「おくすりおうち便」を選んでいる点も事業拡大の背景です急性期に近い疾患、たとえばインフルエンザや新型コロナウイルス感染症、口唇ヘルペスなど、早期の服薬が求められるケースでの利便性向上が期待されます。
料金や運用面の変更点も明確です。サービス利用料は2025年11月27日より従来の500円（税込）から900円（税込）へ改定され、品質維持のための見直しであると説明されています。クール便を必要とする薬剤は別途クール便料金1,200円（税別）が薬局で加算されます。なお、拡大エリア外では従来どおりレターパック等での配送となり、到着日時は服薬指導の実施日時や配送事業者の状況により変動します。
今後の展開としては、2026年3月に大阪市・神戸市・名古屋市での当日配送開始を予定しており、首都圏から主要都市へと順次利便性を拡大するロードマップが示されています。アナムネは「医療をテクノロジーの力で治療中心から生活のパートナーへ」とするビジョンのもと、女性医師組織など同社の体制を活かしながらオンライン診療と物流の連携を強化しています。
オンライン診療の普及は「診察のデジタル化」だけでなく、最後の一歩である薬の受け取りをいかにデジタル化・効率化するかが鍵です。今回の当日配送拡大は、生活者に寄り添う医療の実用化というDXの本質を示しています。
詳しくは「株式会社アナムネ」の公式ページまで。
レポート／DXマガジン編集部
