
オンライン面接支援ツール「batonn」の調査で、学生の75%がオンライン面接を経験する一方、42.3%が面接で企業の魅力が伝わらなかったと回答しました。面接担当者の説明不足が志望度低下に直結する実態と、企業規模による実践差が明らかになっています。
面接で「伝わる」仕組みが足りない
batonnによる2025年10月27日〜11月6日の調査(内定保有の大学生・大学院生、サンプル数116名)では、オンライン面接は就活の標準化した手法となっており、75%の学生が経験済みと答えています。特に一次面接での活用が74.7%、二次面接でも51.7%と高く、面接のオンライン化は幅広く定着していることが確認されました。一方で「面接で企業の魅力が伝わった」と回答した学生はわずか17.9%に留まり、42.3%が魅力が伝わらなかったと感じています。つまり、多くの学生が面接を通じたアトラクト(魅力付け)を受け取れていない現状が浮かび上がります。
その背景として、学生の回答からは面接担当者による企業説明の不足が大きな要因であることが示されました。「説明が不足している」と感じた学生が40.5%、「説明がなかった」が19%に達し、合わせると約60%が担当者側のアトラクト対応に課題を感じています。魅力が伝わらないことは選考結果に関わらず学生の志望度に影響を与え、魅力が伝わらなかった学生のうち33.3%が志望度を下げ、その理由の過半数(53.3%)がアトラクト不足を挙げました。つまり、面接での「伝え方」が採用成功の明暗を分けるという構図が明確です。
さらに調査は、アトラクト実践に企業規模やリソースが影響している点も示しています。大手や採用力の高いベンチャー・スタートアップではアトラクトの取り組みが進んでいる一方、中小企業やリソースが限られる企業では実践が進まず、具体的な改善策や効果検証が不十分なまま面接担当者の負荷が増加している事例が目立ちます結果、面接担当者が見極めに時間を割く一方で、自社の魅力を伝える時間が確保できないという本末転倒な状況が生じています。
解決に向けてbatonnは、面接の自動文字起こしやAI要約で発言をエビデンス化し、担当者間の情報共有と見極めの効率化を図るツールとして紹介されています。面接の「属人化」を防ぎ、質問の重複や判断ロスを減らすことで、担当者が候補者へのアトラクトに注力できる時間と体制を整えることが狙いです。オンライン面接が当たり前になった今、ツールを活用して面接の構造自体を変えなければ、優秀な人材の志望度低下を防げない現実が示唆されます。
面接は単なる選考手段ではなく、企業の魅力を伝える重要な接点です。DXツールを導入して「伝える時間」を確保することが採用競争力の要になります。
詳しくは「株式会社リブセンス」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部
