
話しかけるだけで残高確認や振込が完了する。HabittoがOpenAIの低遅延音声モデルとLiveKitを組み合わせた音声AIアシスタントを発表しました。若年を中心に「会話で始める資産管理」が現実になりつつあります。続きでその設計意図と実装のポイントを解説します。
音声で「残高確認」から「振込」まで
HabittoはOpenAIの音声特化型gpt-realtimeモデルと、LiveKitをオーケストレーションレイヤーとして採用した音声対応AIアシスタントを公開しました。今回の実装で目指すのは、スマートフォンに向かって自然に話すだけで口座残高の確認や銀行振込、サービスの質問まで行える対話体験です。低遅延の音声対話により応答の間が短く、ユーザーはストレスなく会話を続けられます。Habittoはまず会話型バンキングから導入を始め、音声を通じた即時サポートで利用者の親しみと信頼を育む設計です。
発表時にはテストユーザーから「初回ヒアリングや基本情報の整理はAIで良く、最終的な重要判断は人間のアドバイザーで十分」という声が上がりました。HabittoはAIが大量データの分析や初期対応を担い、人間のアドバイザーが共感や高度判断に注力できるハイブリッドモデルを掲げています。具体的にはデビット取引の分析に基づく節約提案など、日常の行動変容を促すレコメンデーションも想定されています。こうした体験は、Habittoが掲げる「お金の悩みをゼロに」というミッションと整合します。
また、2025年11月11日のOpenAI DevDay Exchangeでは開発者や起業家に実機を体験してもらい、直接フィードバックを得ています。Habittoはこの実証を「終着点」ではなく「証明点」と位置づけ、利用データとユーザーフィードバックを次の改善につなげる計画です。現状の実装は会話で残高確認や振込を安全に行えることを主眼に置き、将来的にはより複雑な資産形成支援へと段階的に広げる意図が示されています。なお、Habittoは高金利普通預金やデビットカードのキャッシュバック、無料のファイナンシャルアドバイスといった既存サービスと連携し、音声体験を中心に据えた顧客接点の強化を図ります。
音声AIは日常の金融行為を「会話」に引き下げ、若年層の利用障壁を下げる力があると感じます。Habittoの段階的な実証と人間との役割分担は、実用化に向けた現実的なアプローチです。
詳しくは「株式会社Habitto」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部
