KDDIとローソンは2025年11月8日から「ローソン S KDDI高輪本社店」で、欠品検知ロボットと品出しロボットを組み合わせた店舗DX実証を開始します。画像解析とVLAモデル、5指ハンドなどを活用し、2030年度までに店舗オペレーションを30％削減する目標の実現を目指します。
実証の中身──欠品検知と自律品出しの仕組み
今回の実証は、店内巡回で売場の欠品を見つけるロボットと、商品を自律的に品出しするロボットの2系統で構成されています。欠品検知ロボットは4Kカメラで棚を撮影し、画像解析AIでプライスカードや商品パッケージを読み取って商品の配置や充足率を判定します。これにより従来の目視確認が不要になり、離れた場所からでも最新の売場状況を把握できます。撮影映像は高度に匿名化され、来店客のプライバシーにも配慮しています。
品出しロボットは自律走行にアームを搭載し、バックルームから売場奥への補充や棚への陳列を自動化します。画像と自然言語から動作を生成するVLA（Vision-Language-Action）モデルを用いて事前学習を行い、環境に合わせた行動を実現します。アームは2指グリッパーと5指ハンドの2種類を使い、基本作業から手掴みが必要な繊細作業まで適性を比較していきます。アームが取り出した商品の種別・個数記録され、バックルームの在庫把握にも活用されます。
この実証は「ローソン S KDDI高輪本社店」と、2025年6月以降に開店した「ローソン高輪ゲートウェイシティ店」を含む実験店舗で行われ、既存の飲料品出しの検証に続く取り組みです。協力企業には株式会社MUSE、RLWRLD Inc.、Deeping Source Inc.などが参加し、ロボット制御やAI基盤を支えます。KDDIは国内管理下の大阪・堺データセンターを活用し、高速かつセキュアな通信でAI処理の安定性とデータの機密性を担保します。高輪で得られる実証結果をもとに、他店舗への展開も視野に入れた運用検討が進みます。
詳しくは「KDDI」の公式ページまで。
レポート／DXマガジン編集部 權
