
アルサーガパートナーズが全国の教職員283名を対象に実施した調査で、生成AI導入が進みつつある一方、業務軽減を実感している教員は3割未満にとどまることが明らかになりました。確認・管理業務の増加や関係性変化への懸念も浮き彫りとなっています。
アルサーガパートナーズ株式会社が2025年7月22日〜7月29日に実施した、教育現場における生成AI活用実態調査によると、教職員283名中、実際に生成AIを業務に「活用している」と答えた割合は37.2%にとどまり、半数以上が未使用という結果でした。
一方で利用意向を見ると、61.9%の教員が「とても前向き」「やや前向き」と答えており、導入意欲と実際の運用との差異が浮き彫りになっています。
AI導入による業務軽減が実感できた教員は28.6%。過半数に近い53.0%は軽減を感じておらず、18.4%が「わからない」と回答しています。
軽減が感じられた場面としては、教材作成時間短縮(40.7ポイント)、宿題・試験採点の自動化(34.6ポイント)、授業準備効率化(30.9ポイント)などが挙げられました。
ただし、AI導入には新たな負荷も生じており、教職員からは以下のような声もあがっています。
- AIの出力を現場に合わせて確認・修正する手間
- 生徒の成果物がAI生成かどうかの判別
- コミュニケーションの減少や偶発的な対話不足の懸念
生成AI導入が教員と生徒の関係性に変化をもたらしたかを尋ねると、「変わらない」が64.0%、変化を感じると答えた人は15.9%でした。 変化を感じた教員の中には、「生徒の質問の質が向上した」「教師が個別指導に集中できるようになった」というポジティブな意見も。ただし、「コミュニケーション量の減少」を懸念する声も一定ありました。
生徒側の学習効率については、「向上した」と実感している教員は22.3%。多くの教員がまだ効果を実感しきれていない現実がうかがえます。ただ、生徒が即時に疑問を解消できる、予習復習が効率化される、個別最適化学習の手がかりになるなど、柔軟な学びの可能性を感じる教員も見られます。
アルサーガパートナーズは、AI導入の効果を最大化するためには、教職員の協調的な導入支援、現場適応型の運用設計、そして学びの本質を損なわない配慮が必要であると指摘しています。導入段階での手厚い支援が、教育現場のDXを前進させる鍵となりそうです。
詳しくはアルサーガパートナーズまで。
レポート/DXマガジン編集部
