非常に複雑な問いにも一回の検索で答えを出す「AIモード」が日本語対応を開始しました。Gemini 2.5カスタムやクエリファンアウト、マルチモーダル対応で業務の情報探索や意思決定プロセスが変わる可能性があります。
AIモードの特徴と業務DXへの示唆
Googleが日本語で提供を開始したAIモードは、検索体験を「一回で深掘りできる」ものに変えます。Gemini 2.5のカスタム版を用い、従来は複数回の検索が必要だった長くて複雑な質問に対して、瞬時に包括的な回答を生成します。特に探索的な問いや複雑な手順の把握、地域の推奨や旅程作成といった多面的な検索で力を発揮する設計です。初期ユーザーは従来の2〜3倍の長さの質問を投げかけており、より高次元の情報ニーズに対応していることが示されています。
技術面では「クエリファンアウト」と呼ばれる方式を導入し、ユーザーの問いをサブトピックに分解して自動でサブクエリを実行します。これによりウェブの深い領域まで探索でき、最適な関連コンテンツを多面的に集められます。また、ナレッジグラフ等の最新情報源と連携し、高性能AIモデルと情報システムを直接統合している点が重要です。結果にはウェブリンクも添えられ、さらなる深掘りが容易になります。
マルチモーダル対応も注目です。音声入力やカメラでの画像アップロードによる自然な質問が可能となり、例えば写真のメニューからベジタリアン向けの料理を判別するなど、テキストだけでは難しい問いにも答えを導きます。PC・モバイルのブラウザやAndroid・iOSのGoogleアプリ上の[AIモード]タブから利用でき、日本語のほかインドネシア語、韓国語、ヒンディー語、ポルトガル語（ブラジル）の提供も順次行われます。
信頼性に関しては、Googleの品質およびランキングシステムに基づき、事実性向上のための新たなアプローチを採用しています。可能な限りAI回答を表示する一方で、信頼性が低いと判断される場合はウェブ検索結果を提示するよう設計されており、初期製品としての限界を認めつつ継続改善を進める姿勢が示されています。業務DXにおいては、こうした情報探索の効率化と多様な入力手段の活用が、情報発見や意思決定の質向上に寄与する可能性があります。
詳しくは「Google」の公式ページまで。
レポート／DXマガジン編集部 權
