
富士通がSalesforceのMarketing Cloud Nextを導入し、AIエージェントでサポートデスクを再構築します。パイロットで平均応答時間を71.5%短縮、コンテンツ修正時間は83%削減といった成果を見込み、2025年から段階的に24時間対応の自律型AI運用へ移行します。続きで導入の狙いと運用設計を整理します。
Agentforce×Data Cloudで何が変わるのか
富士通はこれまでAgentforce for ServiceやEinstein for Service/Marketingを段階的に導入し、2025年1月のAgentforce導入パイロットで平均応答時間をチャットBot比で71.5%削減する効果を確認しました。今回、Marketing Cloud Nextを富士通Salesforceサポートデスクに導入する狙いは、CRM外の契約情報やアンケートを含む周辺データをData Cloudで統合し、より高度なパーソナライズを可能にすることです。これにより、顧客ごとの利用状況に基づいたメール配信やプロアクティブな情報提供ができるようになります。
Marketing Cloud NextはSalesforce Platform上にネイティブ構築されたフルファネル型AIマーケティング基盤で、Agentforce for MarketingとEinsteinの予測AIがキャンペーン設計やコンテンツ生成、送信タイミング最適化を自動化します。富士通ではAgentforce for ServiceとMarketingのAIエージェントを連携させ、契約更新のリマインド、QA対応、契約手続きのサポートなどをAIが自律的に行い、対応困難なケースのみ人間へシームレスに引き継ぐ運用を目指します。これにより、問い合わせの一部(目標は15%)をAIが担当するなどで、人的リソースを高度な顧客対応へシフトできます。
また、Revenue Cloudを導入してライセンス・契約管理を一元化し、2026年4月までに既存の手作業を廃止する計画です。Tableau Nextを併用して成果を可視化することで、配信効果や収益性を迅速に把握し、PDCAを素早く回せる体制を整えます。パイロット段階ではコンテンツ修正やレビューの平均作業時間が83%削減される見込みで、担当者は定型作業から解放されることが期待されています。
詳しくは「株式会社セールスフォース・ジャパン」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權
