
学校法人立命館とNTT西日本株式会社は、児童・生徒・学生・卒業生を含む『立命館学園』のすべての学習者に対し、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実をめざして、教育向け生成AIの共同開発と活用を開始すると発表しました。今回の取り組みは、2020年に締結した「ソーシャルコネクティッド・キャンパス」構想に基づく『学園ビジョンR2030』の具体展開であり、立命館が持つ学内の多様な個人・組織を「総合知」としてプロデュースする学園創造の一環として進められます。
NTT西日本は、これまで文教ビジネス分野での経験を背景に、卒業生ともつながる認証・連携サービス「LinkU‑ID」の提供を開始しており、本共同開発では生成AIと電子教科書、LMS(学習管理システム)等を組み合わせた新サービスの創出を推進します。対象は在学生約5万人に加え、LinkU‑IDを通じて会員化する40万人超の卒業生を含めた学習者基盤で、学習履歴やコンピテンシーの可視化を通じて、生涯にわたる学びの支援を目指します。
組みの主な内容は五つの柱で構成されています。第一に、学びの可視化と立命館オリジナルAI「R‑AI(仮称)」の本格活用です。第二に、生成AI、電子教科書、LMS、AI会話履歴の連携による個別最適な学びの提供で、学習者個々の理解度や進度に応じた教材提示やフィードバックを行います。第三に、LinkU‑IDとLinkedInラーニングを活用した生涯学習基盤の提供で、卒業生のリカレント教育や学び直しを支援します。第四に、先輩の学びの軌跡を活用したキャリア検討支援の仕組み提供で、在学生が卒業生の歩みを参照しながらキャリアを考えることを促します。第五に、アルムナイネットワークを構成可能なプラットフォームづくりを実施し、在学中から卒業後までをつなぐ学びのエコシステムを設計します。
立命館は、キャンパスを実践の場とし「リアル」と生成AI等の「デジタル」を最適に融合することで教育機関としての学びへの貢献を継続するとしています。NTT西日本はこれを最新のテクノロジーで支える役割を担い、生成AI環境を学内の教育情報にクローズに接続して活用することで、学習者が自身の成長や他者の価値を認識し、能動的に学び続けられる環境を目指します。なお、本取り組みは発表時点の情報に基づいており、今後変更される場合がある旨が明記されています。
詳しくは「学校法人立命館/NTT西日本株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部小松
