
企業はAIを未来の成長基盤と見なし、急速に導入を進めています。しかし、消費者側は必ずしもそのスピードについていけているわけではなく、信頼のギャップが浮き彫りになっています。
Gartnerが400社以上の中堅企業のCIO・技術リーダーを対象に行った調査によると、生成AIは「業務改善」と「新規事業創出」という二重の目的で活用が進んでいます。約半数の企業はコンテンツ簡略化やチャットボット改善といった即効性のある用途に注目する一方、76%の企業は新製品・新サービスや新しいビジネスモデルの実現に向けた導入を模索しています。短期的な効率化と長期的な変革という二つの軸でAIを捉えているのが現状です。
一方で、消費者の視点はより慎重です。Euromonitorの調査では、生成AIを「信頼できる」と考える消費者は40%にとどまり、残り60%には不安が残っています。調査担当のリンダ・リヒトメス氏は「AIは有用である一方、情報の正確性や文脈理解に限界があるため、消費者の評価が分かれている」と指摘します。個別広告や買い物の効率化といった利便性は歓迎されつつも、「人間が作ったものかAIが生成したものか」を明確にしたいという声が強まっています。
つまり、企業がAIで得られる成果を拡大していくためには、消費者が安心して受け入れられる仕組みづくりが不可欠です。AIを「便利なツール」として浸透させるには、透明性と説明責任がカギになるでしょう。
詳しくはGartnerまで。
レポート/DXマガジン編集部
