
日立が繰り返し突風下での実機計測を基に機体応答をモデル化し、デジタル空間で約90%の精度で位置変動を検証可能にしました。これにより都市や山間でのドローン運航の安全管理が大きく前進します。
機体応答の“見える化”で運航リスクを算出

日立は、ドローンなど次世代エアモビリティの安全運航を支える新たなモデリング技術を開発しました。本術は、実機を用いた繰り返し突風試験と風洞実験、モーションキャプチャーの計測データから、機体ごとの耐風性能と機体応答を数値モデル化するものです。得られた応答モデルは、風力や揚力、重力を考慮した空力解析を経て生成され、飛行ルート上の気象を模擬したデジタル解析で機体の位置変動や姿勢変化を高精度に検証できます。
検証精度は繰り返し突風下で約90%を実現し、これまで運航制限がかかりやすかったビル群の多い都市部や山間部での活用拡大に寄与します。さらに日立は、この応答モデルをモビリティ管制基盤「Digital Road」に組み込むことで、風況と飛行特性を踏まえた安全管理やリスク回避ルートの自動提案といった効率的な運用を目指します。今後は、運行データの収集・蓄積とAI活用による運行管理高度化を進め、重要社会インフラの点検や災害時の復旧支援などへの実装を図る計画です。詳細は、2025年9月7日から10日に開催される日本機械学会年次大会で発表される予定です。
詳しくは「日立製作所」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權
