
<明治安田J1:柏1-0町田>◇6日◇第38節◇三協F柏
柏レイソルは優勝までわずか1ポイント届かなかった。
ホームで迎えた最終戦、天皇杯王者の町田を1-0で下した。鹿島が引き分け以下なら優勝が転がり込む状況の中、淡い期待はすぐに霧散した。鹿島の勝利が伝えられた。リカルド・サッカーの具現者と呼ばれたMF小泉佳穂は「ダメかーっ…」。試合後のセレモニー中も、あと1歩届かなかった悔しさが込み上げてきたという。
今季の敗戦はリーグ最少の5。鹿島の8を大きく下回る。攻守のインテンシティー(強度)や個人能力の高さで勝負するチームが強い中、組織力で戦い抜いた。今季全38試合にフルタイム出場を果たしたDF古賀は「どこよりも誇れるフットボール。誰か1人がうまくても表現できない。ピッチに立つ11人が共鳴しないとできない」。そう胸を張るポゼッションスタイルで、この日もJ1屈指の強度を誇る町田を揺さぶり、好機をつくった。決勝点はオウンゴールだったとはいえ、勝利したことに「成長を見せられた」と口にした。
就任1年目のリカルド監督は、悔しさの中にも充実感を漂わせた。「このスタイルこそがタイトルを取ることにつながる近道であり、多くの方々を幸せにできるものだと確信した」。確かな足掛かりとなる1年だった。【佐藤隆志】
