
巨人の坂本勇人内野手(36)が、フジテレビ系列で3日深夜に放送された特番「スターアスリート独占密着 巨人・坂本勇人 スターの真実、もう一度輝くために」に出演し、ドラフト指名時から今季までの歩みに迫るドキュメンタリーが放送された。
プロ19年目の今季は開幕スタメンとして迎えたものの、打撃不振に苦しんだ。開幕11試合終了時点で打率1割2分9厘、長打はゼロ。開幕から約2週間で再調整を言い渡された。
降格後、2軍の本拠地ジャイアンツ球場で自らのスイングを関係者にスマートフォンで撮影してもらい、細部までチェック。ベテランが免除される地方遠征にも志願して帯同し、4月22日の2軍楽天戦(楽天モバイルパーク)にも出場するなど実戦を通して打撃の復調を試みた。だが、単打は出ても長打はなかなか生まれなかった。
2軍球場で取材班に向き合った坂本は、神妙な表情で胸の内を語った。「2軍で試合をしていても、『なにしてんねやろな』とは思う。絶対に打ち方がよくないから長打になっていない。バットに当たって飛んでいく打球に力強さが必要で、そこがまだ足りていないのが正直なところです」。新しい取り組みにも手応えはなく、「これだというものがまだないので。難しいなと思いながらやっています」と苦しい現状を明かした。
しかし、1軍の出場機会は突然訪れた。5月6日、主砲の岡本和真内野手(29)が負傷のため離脱。坂本は緊急昇格し、翌7日の阪神戦(東京ドーム)で今季初の長打を放った。決勝の適時二塁打となり、勝利に導いた。5月9日ヤクルト戦(神宮)でも左翼線への二塁打を放ち、完全復活の予感を漂わせた。
だが、現実は厳しかった。昇格からわずか4試合、9打席連続凡退で再び2軍での調整を余儀なくされた。2度目の再調整では試合には出ず、ひたすら練習だけを重ねる日々を選択。
「あの抹消の仕方ですぐにまた1軍に上がることは絶対にないとわかっていたので、いったん走ったりウエートをする期間をもらった方がいいのかな」と語り、逆境を受け入れながら、自分のペースで再起を目指した。
