先週は、FOMC後の木曜日は、日本のマーケットが祝日で休場となり、そして、金曜日を終えてから米雇用統計という、相場が動く可能性のあるイベントが続く中の祝日休みで、なかなか建玉に苦労された方も多いのではないでしょうか。
現に、FOMCでは、声明文ではハト派的で株価上昇となったかと思えば、その後の記者会見ではタカ派的で株価は一気に下落となりました。
雇用統計では予想を上回り、今度は買いが入って大幅高となっており、イベント通過に対して、日経平均株価にも影響が出るため、今後も米中間選挙やCPIなどで乱高下があるかもしれず、11月にもう1日残されている祝日、23日(水)の勤労感謝の日も意識しながら、それぞれのイベントスケジュールに注意していきましょう。
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チャート分析
それでは、チャートを細かく見ていきましょう。
日足の移動平均線
5日線は、上向きで推移していましたが、金曜日に下向きへと変化しています。
25日線は、上向きに推移しています。金曜日にはローソク足が25日線に近づいてきましたが、下値支持線として機能しています。
75日線は上向きに推移し、ローソク足は月曜日火曜日水曜日と75日線に触れましたが、金曜日には下に放れました。
並び順は引き続き、75日5日25日で下降トレンドの終わりとなっています。
機関投資家や海外の投資家が意識している200日線は、下向きで2万7164円処を推移しています。一週間を通して200日線の上を推移し、金曜日には、200日線を割りそうでしたが、終値ではかろうじて200日線の上で終えました。
5日線25日線75日線100日線200日線が接近して絡み合っていて、エッジがない状況で、引き続きBOX相場が意識されるところです。
トレンドライン
上の9月20日と21日に空けた窓を火曜日に埋めてきました。
意識されている10月3日13日安値を結んだラインと、8月17日と9月13日高値を結んだラインが三角持ち合いとなっていて、火曜日水曜日は上値抵抗線に触れ、金曜日には下値支持線に触れて、この三角持ち合いの先端に近づいている為、どちらに放れるのかが、今週中には決着がつく位置となっています。
たくさん開けている窓ですが、27日と28日の窓は金曜日に埋めて、下には
- 10月3日4日の窓
- 10月13日14日の窓
- 10月17日18日の窓
そして上には直近の
- 11月2日と4日に空けた窓
- 9月13日14日の窓
があります。
一目均衡表
10月の一か月間、雲の下限を推移してきた株価ですが、11月1日の雲のねじれで、雲の中に入り、いよいよ雲を上抜けるのかという場面で、4日金曜日に一気に雲の下限まで株価は下落しました。
今週2万7500円以上に株価が推移すると雲を上抜けて、雲が下値支持として機能しますが、今週の水曜日までに2万7500円を超えなければ、下に向かう可能性が高くなるので注目です。
基準線、転換線も上向きで推移して、遅行線も上向きとなれば、三役好転のチャンスでしたが、遅行線は金曜日に下向きとなっています。
しかし、遅行線の上にもスペースがあるので、上向きに変化できるのか月曜日の推移を見ていきましょう。
ボリンジャーバンド
TPラインが上向きになりました。今週はこの上向きのTPラインを割らずに+1σと+2σの間を推移しました。
金曜日にはTPラインまで株価は下落しましたが、TPラインを下支えとして止まっています。
スローストキャスト
買われすぎゾーン内で、波打ちしながら横ばいの動きをしています。
ここから更なる上昇で、上に張り付くのか、それとも売られすぎゾーンに向かうのか引き続き注目です。
MACD
0ラインを超えてからは、上昇トレンド継続となっています。
金曜日にはMACDとシグナルがクロスしそうな場面で終えていますので、月曜日に下へ向かうのか上へ向かうのか確認していきましょう。
ヒストグラムは、金曜日に弱くなっているので、このまま陰転へと向かうのか、こちらも週明けに確認しましょう。
次回の満月は11月8日(皆既月食)です。
この8日の皆既月食は、特別な天体イベントのようで、月が天王星を隠す惑星食というものも同時に見られるそうで、この皆既月食と惑星食が次に見られるのが322年後だそうです。
もう私たちは生きていませんよね。地域によって異なりますが、東京では午後8時41分ごろ、月の左下に見える天王星を眺めてみたいです。
次回の水星逆行期間は、12月29日から1月18日です。
総合判断
「そろそろ年足を意識して、今年の足型を想像しながら年末相場を迎えたいところです」と前回記載しましたが、今年の年足は今のところ、下髭の陰線です。
昨年が上髭長めの陽線でしたので、今年の年足が、陰線でつつむと波高い線のような形ができあがってしまう為、注意していかなくてはなりません。
所説ある為、一概には言えませんが、現状のローソク足の年足ですと、波乱相場を表していますので、来年以降、大きくどちらかに動く可能性もある為、年足を確認していきましょう。
現状では、2017年あたりから引き続き+2σのボリンジャーウォーク中です。
スローストキャストは、買われすぎゾーンでキープしていますが、今年は%Dが下向きとなりクロスしそうな雰囲気を残しています。
MACDは2015年から上昇トレンド継続ですが、ヒストグラムは今年、若干弱まっています。
一目均衡表では、昨年、基準線転換線遅行線が上向きでした。
今年は、基準線と転換線の位置は上昇ですが、遅行線に至っては、下向きとなり、上下どちらでも、大きく動けるスペースがあるので、こちらも怖いところです。
移動平均線は短期中期長期の並び順で、こちらは安定上昇の形となっています。
現在の年足を確認していきましたが、まだ11月も始まったばかり。
この先の株価の行方に注意しながら、年末まで確認していきましょう。(執筆者:AFP、FP2級 城 晶子)
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