キャスター Research Memo(8):ARPU改善やコスト最適化により営業黒字転換を目指す
1. 2026年8月期の業績予想
2026年8月期の連結業績については、売上高を前期比14.0%増の5,231百万円、営業利益を10百万円(前期は382百万円の損失)、経常利益を1百万円(同386百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失を26百万円(同393百万円の損失)と増収及び営業黒字転換を見込んでいる。
BPaaS事業とHR事業(在宅派遣、Reworker)で得た利益をAI Tech事業へ投資し、そこで得られた成果を全体へ展開することで、売上と利益の拡大を実現する。
損益面でも、前期終盤からの流れを引き継ぎ、粗利率改善と販管費の最適化などにより営業黒字転換を見込む。とりわけ新規顧客獲得に向けた広告費配分の調整や受注動向に合わせた稼働率の維持によりコスト最適化を図る。
2. 弊社の見方
弊社でも、稼働社数の伸びやアップセルによるARPU改善の余地、前期第4四半期における損益の大幅改善(終盤の黒字化)などを勘案すれば、同社の業績予想は十分に達成可能であると見ている。前期同様、先行費用のかけ方(戦略判断)が利益に及ぼす影響については引き続き注意が必要であるものの、利益重視の方針を打ち出していることから、その点を懸念する必要はないと考えられる。むしろ、利益を出し続けながら、いかに高い成長性を確保していくのかが最大のテーマと言えるだろう。特にAI活用による同社自身の生産性や業務効率化がカギを握るのは明らかであり、「NEO assistant」はもちろん、セルフサーブ機能を追加したマイクロロットサービスの動向も含め、今後のビジネスモデルや収益構造への影響には注意が必要である。いずれにしても、黎明期にある市場の最前線を走る同社にとって試行錯誤の段階にあることには変わりなく、4半期ごとの業績の推移や費用のかけ方、KPIの動向等をしっかりとフォローしたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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