庭のちょっとしたスペースや、土が見えている表面には、砂利やコンクリートを敷き詰めるのではなく、広い面積をカバーしてくれる、美しくて便利なグラウンドカバープランツを利用してみましょう。
地面や壁面を立体的に演出できるので、庭づくりの楽しみが、ぐっと広がります。
この記事では、グラウンドカバープランツの魅力、楽しみ方や活用方法、おすすめの種類を紹介します。芝生だけでない庭づくりのヒントを解説するので、ガーデニングをもっと楽しみたい方はぜひ参考にしてみてください。
グラウンドカバーの魅力
周囲の庭木や花壇を鮮やかに演出してくれるグラウンドカバープランツ。 庭の主役となる樹木や草花を引き立ててくれる、大切な脇役たち です。
広いスペースをカバーするだけでなく、多くの魅力ある要素を活かして幅広く利用でき、庭づくりの楽しさを教えてくれます。
グランドカバーの楽しみ方と活用方法
敷石の周りや通路の縁などのちょっとしたスペースでも、グラウンドカバープランツで覆ってあげると見違えるような美しい空間を演出でき、庭全体がやわらかい統一感で包まれます。
花壇と植え込みに植えて色味のある庭に
庭の地表には、芝生で敷き詰めることが定番ですが、宿根草・球根草花・ほふく性の小低木・つる性の植物などが、グラウンドカバーとして利用できます。
花壇や植え込みの縁(ふち)に植え付けることで、色味のある暖かい庭を演出できます。 ある程度広い面積を覆う必要があるため、できるだけ手入れが簡単で植えっぱなしにできる植物を選ぶ ことがおすすめです。
1年草や2年草は避け、多年草や常緑性のものを選びましょう。
おすすめのグラウンドカバープランツ
- アスチルベ
- コレオプシス
- ペチュニア
- シロタエギク
- ワスレナグサ
- ブルーファンフラワー
- トリトマ(クニフォフィア)
- アジサイ
樹木の下と建物の周り植えてナチュラルさを表現
樹木の下や建物の周りは、場合によっては一定の時間、日陰になっていることも多いです。適した植物を植えていないと育ちにくい反面、そこにあった植物を植えると見違えるほど美しくなります。
例えば、落葉樹の株元にスイセンやムスリカなどの早春に咲く球根類などを植え、グラウンドカバープランツと組み合わせるとイングリッシュガーデンのようなナチュラル感のある美しい庭を演出できます。
いつも建物の影になる所には、耐陰性のあるハツユキカズラやフッキソウなども適しています。日当たりの良い所ではハンギングバスケットなどを活用するのも良いでしょう。
早春に咲く背の高い植物なら、グラウンドカバープランツは生長期に十分な光が当たるため生長が良好 です。
おすすめのグラウンドカバープランツ
- ハツユキカズラ
- フッキソウ
- インパチェンス
- ムスリカ
石垣や斜面の空いた隙間に植えてやわらかい表現に
むき出しの石垣や塀に続く斜面など、比較的日当たりが良いところを緑化するには、丈夫で乾燥に耐え、手があまりかからないグラウンドカバープランツを選びましょう。また、開花期間が長く耐病性のあるものが向いています。
ほふく性のある一年生やつる性の植物を、高いところから垂らすように植えるのも良い方法 です。
石垣の境目や石と石の間にも、マンネングサやマツバギクなどの丈夫な植物を植えると硬さが和らぎます。
おすすめのグラウンドカバープランツ
- マンネングサ
- マツバギク
- シバザクラ
- ネモフィラ
- コリウス
- マリーゴールド
- オキザリス
- エリゲロン
隙間と通路わきのデッドスペースにも植えて爽やかさをプラス
コンクリートやレンガが敷かれているところが多いわずかなスペースには、丈夫で踏圧にも耐える植物を植えると爽やかさのある美しい庭を演出できます。
使い勝手を考え、雑草が茂らずに、歩行の邪魔にならないほふく性のグラウンドカバープランツや、背丈の低い植物を選ぶのがポイント。 つる性の植物は、歩行の妨げになる場合もあるのでできるだけ避けましょう 。
また、通路わきに植物があると、雨の日には泥はね防止効果も期待できます。
おすすめのグラウンドカバープランツ
- スノーフレーク
- タイム
- マンネングサ
- ポーチュラカ
- リシマキア
- ほふく性のコニファー
玄関アプローチと門周りにはカラーリーフやハーブ類を
家の顔となる玄関アプローチや門周りのスペースには季節感があり、花や葉の美しさに個性が光るグラウンドカバープランツを植えてみましょう。
明るい緑や濃い紫の葉をもつカラーリーフの宿根草などは、1年草と組み合わせて使うと効果的です。 限られた場所なので、奥が高く手前が低くなるように植えることがポイント 。平坦に見えにくく、立体的で動きのある空間を演出でき、ハイセンスな庭をつくれます。
また、触れると香りがするハーブ類や良い香りのする花を植えることも、来客に歓迎の意を伝えることができるアイディアです。
おすすめのグラウンドカバープランツ
- シバザクラ
- セラスチウム
- コニファー
- ツワブキ
- マリーゴールド
- マンネングサ
- フェスツカ
- ヒマラヤユキノシタ
- タイム
- サツキ
壁面やフェンスにはつる性のグラウンドカバープランツで彩る
味気ないコンクリートの壁面や垣根、フェンスなどは、つる性のグラウンドカバープランツで立体的に演出しましょう。
壁にはい付くような根を出す(吸着根)アイビーなどは、初期はたこ系や園芸用支柱などで誘引し、その後は自力で登らせます。つるバラなどは、麻ひもやワイヤーで固定してから誘引します。
また、壁面やフェンスであればぶどうなどの果樹も育てやすく、収穫も楽しめるのでおすすめです。ただし、 重過ぎると風通しが悪くなり、病害虫の原因となるので適切な時期に剪定(せんてい)を行いましょう 。
おすすめのグラウンドカバープランツ
- コバノランタナ
- モッコウバラ
- アイビー
- ツルハナナス
まとめ
季節ごとに色の変化を楽しめるグラウンドカバープランツは、空間を立体的に仕上げ、庭の印象を変えるアイテムです。環境にあわせて適した植物を植えることで枯れにくく、長い間観賞もできます。
植物の種類によって、茎やつるの伸び方や大きさが違うので、しっかりと選び抜くことで小さなスペースや大きなスペースにも植えられ、オリジナル性の高い庭づくりができるでしょう。
ぜひグラウンドカバープランツを庭に植えて、個性を感じられる温かみのある庭をつくってみてください!
柴﨑光一
余暇プランナー
建築・インテリア学科卒の元造園士・花屋のバイヤー。 東京で建築の仕事をした後、カナダのトロントで造園士を、その後カナダの最東端にあるハリファックスの大自然で植物と戯れながら、植物・庭のWebコンテンツクリエイターを開始。 建築・造園・花屋の経験に加え、趣味の植物・コケの収集、アート作りを生かして、 みなさんに植物やガーデニングの魅力をお届けします!