
日本オラクル 執行役員NetSuite事業統括 日本代表カントリーマネージャー 渋谷由貴氏とデジタルシフトウェーブ 代表取締役社長 鈴木康弘氏が、DXの課題と成功の鍵について議論する対談企画。最終回となる今回は、もっとも重要なシステム導入後の取り組み、さらに人や組織に改革を根付かせ、新たな企業風土をどう築くのかを両氏が議論しました。
人材育成と組織改革なしにDXは成功しない
鈴木:経営者の覚悟や戦略の重要性、業務改革の必要性、さらには改革の土台となるクラウド型統合経営プラットフォームを導入することがDXには不可欠だとこれまで指摘してきました。では、これらを確実に履行しさえすれば改革は成就するのか。答えは「いいえ」です。
一番大切なのは、クラウド型統合経営プラットフォームの導入後。つまり、クラウド型統合経営プラットフォームを徹底的に使いこなし、現状を常に見直し続けられるかどうかです。クラウド型統合経営プラットフォームの導入は、改革に着手するスタートラインに立ったに過ぎないのです。
渋谷:まさにおっしゃるとおりで、DXはクラウド型の統合経営プラットフォームなどのシステムを導入して終わりではありません。その後に「どう使いこなすか」が本当の勝負になります。システムは導入しただけでは単なる道具にすぎず、それを組織として活かし切るためには、やはり会社全体が変わっていかなければ意味がありません。
そして、何より重要なのは「人」です。最終的にシステムを使いこなし、価値を引き出すのは従業員の皆さんですので、働き方や意識の変革に向き合うことこそが不可欠だと思っています。
スタートラインを飛び出した後は、従業員や組織が学び続ける姿勢が欠かせません。変化に追随するために自らをアップデートし続けることが求められます。こうした日々の小さな変化を積み重ねられるかどうかで、数年後の企業力には圧倒的な差が生まれます。
そして、その日々の挑戦を確実に支え、企業の成長を後押しする基盤となるのが、クラウド型統合経営プラットフォームなのです。
