
早稲田大学は教職員・学生約4,000名が使う出張申請システム「イートリップ」にAI型DAP「テックタッチ」を導入しました。月5,100件の申請で生じていた入力負荷と差し戻しを短期間で改善し、操作時間短縮と利用満足度向上を実現しています。なぜ短期間で効果が出たのか、そのポイントを整理します。
導入で変わったことと実務上の狙い
早稲田大学がe-Tripに求めたのは「どこが使いづらいのかを定量化し、短期間で改善すること」です。6年間の運用で月約5,100件の申請がある中、大学特有の多層承認フローと入力項目の多さが原因で、入力途中のエラーや差し戻しが発生していました。テックタッチ導入の決め手は、ノーコードで画面上にナビゲーションやツールチップを素早く追加できる点と、利用ログを可視化するデータ分析機能です。これにより担当者は「どの項目でつまずきが多いか」を数値で把握し優先的に改善を進めることができました。
導入後は画面上のガイド設置やツールチップの追加で入力導線を整理し、平均入力時間の短縮を確認しています。利用者からは「説明書きがすっきりして見やすくなった」「入力しやすくなった」といった声が上がり、操作負担の軽減が定性的にも明らかになりました。学内の担当者側も、テックタッチの分析で改善効果が可視化されたことでPDCAを回しやすくなり、改善活動へのモチベーションが上がったと報告されています。早稲田大学 情報企画部 情報企画課マネージャーの柴山拓人氏は、UI改修と並行したガイド実装で短期間に効果を出せた点を高く評価しています。
今回の取り組みは、単にガイドを付けるだけでなく「可視化→優先順位付け→改善」を短サイクルで回す点に意義があります。学内のほかの業務システムへの横展開を視野に入れ、テックタッチの分析機能を活用してさらなる入力補助の充実を図る計画が示されています。教育機関という多様な利用者層を抱える現場では、属性別の導線最適化が有効であり、ノーコードでの迅速な調整が現場運用の負荷を下げる点も重要な学びです。
詳しくは「テックタッチ株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部
