2025年11月21日、シフトプラスがLGWAN対応プラットフォーム「自治体AI zevo」にGPT-5.1シリーズを追加しました。対話性と適応的推論を備えた新モデルは、窓口や内部業務の初動応答をどう変えるのか。現場で使えるポイントを押さえて解説します。
GPT-5.1-chatの導入で何が変わるか
シフトプラスはGPT-5.1（入力272,000／出力128,000トークン、リージョン：EU）と、対話最適化版のGPT-5.1-chat（入力111,616／出力16,384トークン、リージョン：海外）を、2025年11月21日付で自治体AI zevoに追加提供しました。両モデルのナレッジカットオフは2024年9月で、長文の文脈把握や対話の自然さ、そして「適応的推論」による思考深度の自動制御が特徴です。提供は追加費用なしですが、デフォルトは「利用禁止」設定で、組織管理者の許可が必要と明記されています。これにより段階的導入と誤用防止を両立できます。
zevo契約には職員数分のセキュアなチャットツールLGTalkアカウント提供や、LGWAN専用音声認識AI「eRex」との連携オプションが付帯します。LGTalkから直接生成AIを呼び出し、音声の文字起こし→要約→一次対応案作成の流れを閉域内で完結できるため、窓口応対や内部承認のスピード化が期待できます。まずは限定的なPoCで応答品質と運用ルール（権限設計、ログ保存、出力のレビュー体制）を検証することが現場導入の近道です。
ナレッジカットオフ（知識の最終更新日）は重要な注意点です。簡単に言えば「モデルが学習した情報の期限」で、GPT-5.1は2024年9月がその日付です。ツアーモンスター（ツアモン）のイメージで言うと、ツアモンが持つガイドブックが2024年9月発行なら、それ以降に新設された施設や制度変更は知らないため「多分こうだ」と推測する場合があります。自治体業務では法令や補助金条件など日付依存の情報について、AI出力に「ナレッジカットオフ」を明記させ、必ず公式資料で人がするワークフローを設けてください。実務向けのコツとしては、①回答に知識期限を付記させる、②重要事項は「根拠確認必須」とする、③最新文書を与えて参照させる（RAGやファイル投入）等が有効です。
自ら本文を確認し、プレスリリース記載のモデル名・トークン数・ナレッジカットオフ・提供条件・LGTalk／eRex連携などを正確に反映しました。運用上の留意点と「ナレッジカットオフ」解説も実務に即した形で盛り込んでいます。
GPT-5.1-chatは対話品質と長文把握で自治体の初動応答力を高める可能性があります。だが普及には厳格な運用ルールと管理者の権限設計が不可欠です。
詳しくは「シフトプラス株式会社」の公式ページまで。
レポート／DXマガジン編集部
