
6kW倍充電を武器に、北海道のVELETがミライズエネチェンジとセールスパートナー提携を締結。地域観光や長時間滞在施設の集客を変える“充電×DX”の実装戦略とは何か、現場視点で読み解きます。
集客と業務効率を両立する「6kW倍速充電」とVELETの実行力
VELETは、Web集客や業務効率化、採用DXなどで培ったCMO代行としての実行力を背景に、ミライズエネチェンジの「EV充電エネチェンジ」を北海道で普及させるセールスパートナー提携を発表しました。プレスリリースによれば、同サービスは従来の3kWから高出力の6kW倍速充電を標準化し、充電時間の短縮によって施設の回転率と利用者利便性を高められる点が特徴です。VELETは地域密着のネットワークを活かし、観光施設やオフィス、工場など長時間滞在型の現場に対して充電インフラ導入を提案していきます。
また、導入モデルとして初期費用や月額負担を抑えるAaaSモデルや「0円設置プラン」を用意しており、施設オーナーの導入障壁を下げる工夫がされています。クラウド制御対応で遠隔管理や専用アプリとの連携が可能なため、充電スポット検索から決済までワンストップで提供でき、運用面のDX化も期待できます。これにより、施設側は単なる設備導入に留まらず、集客施策や顧客体験の設計と合わせたデジタル活がしやすくなります。
提携の戦略的意義としてVELETは、ミライズエネチェンジの「電動化のミライをつくる」というミッションと、自社の「事業再創造」が合致した点を挙げています。北海道安平町でのゼロカーボンシティ連携や鶴雅グループでの導入実績を踏まえ、地域での実証とスケールを狙う点が明確です。加えて、将来的にはEV充電インフラがバーチャルパワープラント(VPP)の構成要素になり得るとの見立ても示されており、クラウド制御での遠隔調整を見据えた次世代アセット確保が狙いです。
市場の文脈も無視できません。プレスリリースは日本のEV充電ステーション市場が2030年までに年平均成長率44.92%で拡大するとする予測を引用しており、成長性の高い領域での早期普及が価値を生むことを示唆しています。VELETは週単位のOODAループ思考で戦略を実行に移すとし、SDGsやESGへの貢献を前面に出しながら、クライアント企業と地域社会双方のブランド価値向上を目指すとしています。
まとめとして、今回の提携は単なる機器販売の代理店化ではなく、充電インフラを入り口にした「施設集客のDX」と「地域のエネルギーDX」を同時に進める意図が読み取れます。6kW倍速充電とAaaSモデル、クラウド制御を組み合わせることで、導入のハードルを下げつつ、運用と集客を連動させる施策の実が現実味を帯びています。
見解(2行)
地方発のDXは設備導入だけでなく、運用と顧客体験を結びつける実行力が鍵になる。VELETの提携はその具体例であり、観光・施設集客の現場に即したDXの指針を示している。
詳しくはVELETの公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部
