
2025年、クマ出没が過去最多を更新するなか、ハイクビジョンはAI基盤「AIOP」とOVD技術を活用したクマ検知ソリューションを発表しました。リアルタイム検知と現場最適化で、地域の生活圏を迅速に守る新しい選択肢を提示します。
ハイクビジョンのクマ検知ソリューションの特徴
2025年度上半期のツキノワグマ出没は2万792件、死者13人、負傷者220人超という深刻な状況を受け、ハイクビジョンは「クマ検知ソリューション」を公表しました。基盤となるのはAI Open Platform(AIOP)で、11月リリースのOpen Vocabulary Object Detection(OVDを組み合わせる点が特長です。OVDはテキスト入力だけで対象物検知アルゴリズムを生成でき、現場写真による最適化も可能なため、従来の大量データ学習に頼らない迅速な導入を実現します。結果としてアルゴリズム生成コストの大幅な削減と短期実装が期待でき、自治体や民間施設の即応力を高めます。さらに、OVDはクマ以外の動物や対象にも応用でき、将来的な用途拡張が見込めます。
実装形態は主に「カメラ側検知」と「レコーダー側検知」の二本立てです。AI内蔵カメラは映像をその場で解析し、検知時にはプラットフォームや外部システムに即時通知します。一方、AIOP SeriesのAIレコーダーは既存のIPカメラを交換せずに一括分析でき、複数拠点の監視に向きます。石川県での実証では、出没地点の記録と住民への画像付き通知に加え、高周波音やフラッシュ光による追い払い機能を組み合わせ、被害低減に成功しています。建設現場のヘルメット着用検知や商業施設の転倒検知、公共空間の煙検知など、同プラットフォームは多様な安全用途へも展開可能で、地域インフラのDX化に寄与します。
ハイクビジョンのアプローチは、データ準備の負荷を下げる点で自治体・事業者の導入障壁を下げます。地域特性に合わせた現場最適化が、被害軽減のカギになるでしょう。
詳しくはHIKVISION JAPAN株式会社の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部
