xID株式会社が提供するデジタル郵便サービス「SmartPOST」が、京都府精華町で導入されます。まずは令和7年3月までを試行運用期間とし、令和8年度の本格運用開始に向けて、町から住民への通知を順次デジタル化します。住民はスマートフォン上の「デジタル郵便受け」で重要通知をいつでも確認でき、紙の郵送に代わる確実で便利な新たなサービス体験が始まります。精華町では、役場から離れて暮らす住民が多いことや、対面前提の窓口と紙による通知が職員負担増や業務継続性の課題につながっていました。今回の導入は、行政手続きの利便性と業務効率化を同時に進める取り組みとして位置付けられます。まずは特定の手続きの通知から段階的にデジタル化し、対象範囲を広げながら運用を進める計画です。
SmartPOSTは、自治体の郵送業務を効率化する郵送DXサービスです。既存フローを大きく変えずに紙とデジタルを併用できるため、郵送コストと職員の作業負担を大幅に削減できます。外部サービスとの連携により、税金関連の通知や施設予約、電子申請など住民ごとに必要な情報を安全かつ確実に届けることが可能です。住民はデジタル郵便受けに公的な通知を受け取り、紛失の不安なく、いつでもどこでも確認し、安全に保管できます。精華町 総務部参事の河野氏は、住民も利点を感じられる方法としてSmartPOSTに着目したとし、通信費の高騰を背景に利用拡大を図る考えを示しています。アクセス性の課題解消と郵送費の抑制を両立する狙いが表れています。
xIDの「xIDアプリ」は、マイナンバーカードをかざした本人確認で無料利用できるデジタルIDアプリです。オンラインと対面の双方で安全かつ簡単に本人確認ができ、行政や民間サービスにひとつのIDでスムーズにアクセスできます。SmartPOSTと組み合わせることで、自治体からの重要通知の確実な受け取りと本人確認を一体で実現します。さらに、全国の自治体で提供されている引越しワンストップサービスにも対応しており、日常の行政手続きをより便利にします。住民にとっては、通知確認から手続きまでのデジタル完結が進み、行政にとっては、通知の確実性と運用の省力化が同時に進む点が価値です。精華町での段階導入の成果は、他自治体の参考モデルにもなり得ます。
実務のポイントとしては、まず対象業務を段階設定し、通知テンプレートの標準化と配信手順の整備を進めることが重要です。 紙とデジタルの併用期間においては、対象者の選定基準と到達状況のモニタリング体制を整え、未到達時の代替手段を明確にしてください。 住民側では、xIDアプリの初期設定支援が定着の鍵となるため、窓口や出張相談でのサポートと周知を同時に行うと効果的です。 また、個人宛通知の確実な配信に向け、外部サービス連携の運用テストを前倒しで実施し、エラー時の再送フローと問い合わせ対応をマニュアル化すると安心です。 費用対効果を可視化するため、郵送費、封入封緘時間、通知到達率、確認までの平均時間といったKPIを導入初期から継続測定し、段階拡大の判断材料とすることをおすすめします。 行政の効率化と住民の利便性の両立に向け、現場起点での運用設計が定着の成否を左右します。
詳しくは「xID株式会社」の公式ページまで。
