
那覇・久茂地の「パレットくもじ」2Fに開業した RYUBO FOOD HALL は、商業施設向けDXプラットフォーム「NEW PORT」を導入しました。席で複数店を同時に注文・決済できる“テーブルでハシゴ”は、2025年11月1日のグランドオープンに合わせて九州・沖縄で初登場しました。
「テーブルでハシゴ」がもたらした顧客利便性と運営変化
2025年11月1日にグランドオープンした RYUBO FOOD HALL は、約400坪・350席の大型フードホールとして、中華、和食、フレンチ・イタリアン、スペイン料理、ハンバーガー、スイーツ、クラフトビールなど多彩な7店舗でスタートしました。久茂地都市開発株式会社が運営する同施設では、スカイファームの商業施設向けDXプラットフォーム「NEW PORT」を採用し、フードホール内の複数テナントを横断して一度に注文・決済できる「買いまわり」機能を導入しました。
来場者はテーブルのQRコードを読み取り、スマートフォンで複数店舗の料理を選んでPayPayやクレジットでまとめて支払うことができました。注文後はホールスタッフが配膳を行う「フルサービス型モバイルオーダー」として運用されたため、デジタルの利便性と人によるおもてなしが両立する形となりました。
今回の導入は「九州・沖縄エリア初」であり、観光客や地元来訪者に配慮した多言語対応(最大10か国)も実装されていました。非接触で注文・決済が完結することで衛生面の安心感が高まり、家族やグループで異なるジャンルの料理を同時に楽しめる点が評価されました。また、モバイル限定メニューやタイムセールといったプロモーションも展開され、利用者の購買意欲向上に寄与したと見込まれています。
運営側にとっても、レジ待ちの削減、注文データによる売れ筋把握、ピーク時のオペレーション最適化といった効果が期待され、2026年春には店舗を2店追加する拡張計画も掲げられていました。
一方で、複数店舗を同時に扱う運用設計では、提供時間の調整や配膳動線の最適化が鍵となりました。久茂地都市開発は、ホールスタッフの配膳連携や一括会計フローの整備、システム利用時の案内強化に注力しており、スカイファーム側も「沖縄ならではの食文化とテクノロジーの融合による価値創出」を目指していました。導入初期は、運用テストやスタッフ教育、利用者への案内を徹底し、利用定着と顧客満足度の向上を図る計画が進められていました。
デジタルで利便性を高めつつ、配膳などの人的サービスを残す設計は、フードホール型DXの一つの現実解を示す取り組みとなりました。地域の食文化発信と観光受け入れ強化の観点でも注目された導入です。
詳しくは「久茂地都市開発株式会社」の公式ページをご参照ください。
レポート/DXマガジン編集部
