
ウーバーが配車アプリで即時宅配サービス「Courier(クーリエ)」を22都道府県で開始。平均30分で届ける新機能は、小口の即時配送ニーズに応え、既存のデリバリーネットワークを活かした物流DXの一歩となる可能性を示しています。
Uber Eats網を活用する即時配達の仕組みと提供内容
Uber Japanは2025年11月19日より、配車アプリ「Uber」に即時宅配サービス「Courier」を導入し、東京・大阪を含む22都道府県で提供を開始しました。CourierはUber Eatsの配達パートナーを活用することで、倉庫や配送センターを介さず、集荷から配達先へ直接届ける仕組みを取っています。プレスリリースによれば、配達は平均30分以内を想定し、集荷から配達先まで最大13kmまで対応可能です。これにより、家族の忘れ物やギフト、店舗からの即日配送、書類の急送といった“今すぐ届けたい”ニーズに応えることを狙っています。
料金体系と利用上のルール
料金はシンプルに設計され、最初の1kmが890円、以降は1kmごとに100円が加算されます。配達可能な物品は宅配便での120サイズ相当まで(45cm×45cm×30cm、最大8kg)と定められており、合計1万円(税込)を超える高額品や現金、危険物、医薬品、腐りやすい食品などは配送禁止となっています。さらに、送り主の本人確認機能を新たに導入し、身分証と顔写真による審査完了が利用条件となるため、安全性とトレーサビリティの担保を図っている点が特徴です。
サービス提供の広がりと配達パートナーへの影響
Courierは2024年12月の広島・那覇で実証実験、福岡での試験運用を踏まえて全国主要都市へ展開されます。配達はUber Eatsの既存ネットワークに依存するため、配達パートナーはアプリの設定で「荷物」にチェックを入れるだけで対応可能です。Uber Japanはこの導入により配達パートナーへの報酬機会創出を見込み、全国で10万人以上がアクティブな配達パートナーの柔軟な働き方をさらに広げる効果を期待しています。一方で、24時間利用可能ながら周辺のパートナー稼働状況により即時利用が制約される場合がある点も明示されています。
開始キャンペーンと利用の視点
提供開始を記念して、最初の配達5回が50%オフとなるキャンペーン(プロモコード:JPHAITATSU、各回最大1,000円、2026年1月31日まで)を実施します。支払いは各種カード、電子決済に加え、着払いでの現金支払いも選択可能とし、利便性を高めています。運用上は配送物の梱包状態や引渡し時の適切な取り扱いが利用規約上の条件となり、利用者・配達者双方の遵守が求められます。
Courierは既存デリバリーネットワークを活かした“即時配送”の実装で、店舗や個人の時間価値を高める可能性があります。本人確認や禁止品規定など安全面のルール整備はDX化に伴う信頼構築の要です。
詳しくは「Uber Japan株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部
