
対話型生成AIが「最も身近な相談相手」になりつつあります。アウェアファイの調査では、AIの相談しやすさや利用可能性が人を上回る一方で、依存や「AIが変わること」への強い不安も示されました。不可逆な変化を前提とした設計が問われています。
調査が示す「相談先の逆転」と依存・不安の実態
アウェアファイと同社の「こころの総合研究所」が実施した2025年8月の調査(回答者987名、分析対象834名、平均年齢41.11歳)では、対話型生成AIの「相談しやすさ」が人を大きく上回ることが示されました。悩み事を「相談しにくい」と答えた割合は、AIが11.3%であるのに対し、人の平均は63.8%でした。とくに親友や配偶者と比べても、AIのほうが気軽に相談できる存在として受け入れられている実態が浮かび上がっています。
アクセスのしやすさでも差が出。配偶者を相談先として持たない人は45.7%にのぼる一方で、AIはほぼ全員(98.4%)が利用可能と回答しました。実際に「気軽に相談できる」と答えたユーザーは87.3%に達し、利用経験者にとってAIは日常的な相談リソースになっていることが明確です。しかし同時に、AIに頼る人ほど「AIを使えなくなる」「AIの反応が変わる」ことへの不安が強く、特に相談目的で日常的に使う層に高い不安スコアが観察されました。趣味中心の利用者では、反応変化への不安はあっても「利用できなくなる不安」とは結びつかない傾向も示されています。
この調査が示す示唆は明瞭です。AIは孤立や相談相手不足を補う「現実的な手段」として根づきつつありますが、同時に「存在の安定性」を求める心理が生まれています。アウェアファイは認知行動療法に基づく機能を備えたアプリを展開し、90万人以上の利用実績を持つとし、AI支援と専門的支援の接続を設計していく重要性を訴えています。調査結果は、事業者や専門家、利用者が協働して健全な活用ルールと支援の連携を構築する必要を示しています。
AIは新たな相談インフラになりうる反面、その不安や依存リスクに配慮した設計が不可欠です。事業者は安定性と専門家連携を優先した運用を急ぐべきです。
詳しくは「株式会社Awarefy」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部
