京セラコミュニケーションシステム株式会社（KCCS、本社：京都市伏見区、代表取締役社長：河之口 達也）は、石油資源開発株式会社（JAPEX、本社：東京都千代田区、代表取締役社長：山下 通郎）より受注した「JAPEX苫小牧蓄電所」のEPC（設計・調達・建設）業務に着手し、2025年10月から現地での建設を開始しました。
近年、再生可能エネルギーの導入が加速する一方で、電力需給のバランス確保が重要な課題となっています。こうした課題に対して注目されるのが「系統用蓄電池」です。系統用蓄電池は、発電量や需要の変動を吸収することで電力の安定供給を支え、地域のレジリエンス向上と持続可能な社会の実現に寄与する重要なソリューションとして期待されています。
今回着工する「JAPEX苫小牧蓄電所」は、JAPEXとして初めて設置される特別高圧の系統用蓄電池設備です。運転開始は2027年秋頃を予定しており、KCCSが計画・設計から資機材の調達、建設工事までワンストップで提供します。KCCSは京セラグループの一員として太陽光発電事業などで培った豊富な実績と独自の技術力を有しており、これらの総合力が今回の受注につながりました。
本事業は、JAPEXが資源エネルギー庁の令和6年度「再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業費補助金」に採択された案件でもあります。国の支援を活用することで、再生可能エネルギー導入拡大の加速と、系統用蓄電池による電力安定化の両立が期待されています。
KCCSは、今回の苫小牧蓄電所の建設を通じて、クリーンエネルギーの普及と脱炭素社会の実現に貢献することを目指します。さらに、同社は系統用蓄電池の設置だけでなく、運用・保守まで一貫したサービスを提供することで、地域の電力安定化や持続可能な社会の構築に寄与する方針です。
苫小牧蓄電所では、蓄電池の導入により太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを効果的に活用できる環境が整備されます。これにより、地域の電力供給の安定性が向上するだけでなく、将来的には全国規模での再生可能エネルギー導入のモデルケースとして期待されます。
KCCSは今後も、太陽光発電事業で培ったノウハウと技術力を活かし、再生可能エネルギー関連設備の設計・建設・運用に取り組むとともに、持続可能な社会の実現に向けたソリューション提供を推進していく考えです。今回の苫小牧蓄電所は、地域社会における電力安定供給の実現と脱炭素社会への貢献という両面で意義のあるプロジェクトとなります。
建設現場では、特別高圧の系統用蓄電池設備の安全かつ効率的な施工に向けた準備が進められており、KCCSは完成に向けた総合的な管理体制を整備しています。また、今後の運用に際しては、地域のエネルギー事情や需要変動に対応できる高度な制御技術の活用も予定されており、電力系統全体の安定化にも寄与する計画です。
KCCSとJAPEXは、この苫小牧蓄電所を皮切りに、再生可能エネルギーと系統用蓄電池を組み合わせた地域電力の安定化・最適化モデルを示すことで、脱炭素社会の実現に向けた新たな取り組みを推進していきます。
詳しくは「京セラコミュニケーションシステム株式会社」の公式ページまで。
レポート／DXマガジン編集部
