
2025年大阪・関西万博に出展したサウジアラビア王国館が、184日間にわたる会期を終え、延べ300万人以上の来場者を迎えて幕を閉じました。サウジアラビア王国館は、開催期間中、敷地内12か所で700件を超えるイベントを開催。公演や展示、文化交流プログラムなど、多彩な催しで来場者を魅了しました。
サウジアラビア館は、Foster + Partnersが設計を手がけ、サウジアラビア産の軽量石材を用いた建築により、王国各地の町や都市を探索するような没入型空間を実現。来場者は、再生可能エネルギーやテクノロジー、観光、宇宙開発、人材育成、持続可能性など、サウジアラビアの進歩を体感できました。館内には2つの文化スタジオも設置され、音楽パフォーマンスやアート展示など創造的な発信拠点として機能しました。

展示のハイライトの一つである「持続可能な海」では、キング・アブドラ科学技術大学(KAUST)の3Dサンゴ礁プロジェクトを紹介。沖縄や与論島で約300個のサンゴ片を植え付ける取り組みは、海洋保全と国際科学協力の促進が評価され、技術革新分野におけるEXPO INNOVATION AWARDを受賞しました。
開幕前には、日本全国7都市で「サウジ・ツアーズ・ジャパン」と題したキャンペーンも実施。大阪、京都、神戸、広島、福岡、名古屋、東京でサウジアラビアの料理、音楽、おもてなしを紹介し、日本の一般市民に同国の文化を広く伝えました。
万博期間中は、多数の二国間代表団や文化交流プログラムを受け入れ、コラボレーションハブでは150件以上のビジネスイベントを開催。サウジアラビア王国ナショナルデーにはコンサート、映画上映、公式式典、パレードなどが行われ、約7万人が来場しました。VIPマジュリスやコラボレーションハブを通じて、政府関係者、投資家、文化機関の交流も活発に行われ、観光、イノベーション、グリーンテクノロジー分野での協力を促進しました。
大型イベントとしては、「Her Influence -彼女の影響力-」「アラビアの驚異」「サウジ・ビジョン2030フォーラム」「日・サウジEXPO投資フォーラム」などが開催され、文化・ビジネス・政策の多方面にわたる展示と交流が実施されました。
サウジアラビア館は、CNNによる「大阪・関西万博で必ず訪れるべきパビリオン10選」に選出され、国内外メディアからも高い評価を受けました。また、BIE公式参加者賞、NY Architectural Design Award、ワールド・エキスポオリンピックの各部門金賞・銀賞、Dragons of Asia賞、EXPO 2025 技術革新賞など、複数の権威ある賞を受賞しました。
館内のレストラン「Irth」では13地域の郷土料理を提供し、サウジ・スークでは手工芸品や香水、アートなどを展示販売。これにより、来場者はサウジアラビアの文化、創造性、ホスピタリティを総合的に体験しました。
閉幕式では、国務大臣・リヤド市王立委員会CEOイブラヒム・アル・スルタン閣下のもと、6か月のイベントと文化交流を締めくくり、万博旗が次回開催地である2030年リヤド万博に正式に引き継がれました。駐日サウジアラビア大使のガーズィー・ビン・ファイサル・ビンザグル博士は、「サウジアラビア館は単なる展示空間ではなく、変革・革新・文化交流の物語を世界と共有する場だった」と述べ、次回リヤド万博での国際協力の継続を期待しました。
