
富士フイルムの子会社FUJIFILM Biotechnologiesが米ノースカロライナ州ホーリースプリングスに大型バイオ医薬品製造工場を開設しました。32億ドルの投資で20,000リットル×8基の稼働を今年中に始め、2028年には同規模を追加します。持続可能性対策も注目点です。
kojoX
で標準化し北米最大級へ
FUJIFILM Biotechnologiesは現地時間9月24日に米国新拠点の開所式を行い、本格稼働を開始しました。総額32億ドルを投資するこの拠点は、今年中に20,000リットル動物細胞培養タンク8基の第一次設備を稼働させ、2028年には同規模のタンク8基を追加する計画です。これにより、北米における原薬生産能力は最大級となる見込みで、製造受託(CDMO)拠点としての存在感を高めます。
拠点はデンマーク拠点と設計・設備・品質管理システムを共通化する「kojoX
」アプローチで建設を進めています。kojoX
による標準化により、拠点間の迅速な技術移管や品質確保、建設リードタイムの短縮を目指しています。原薬製造に加え製剤受託も可能で、2026年には包装工程まで含めた一貫受託体制が整う予定です。すでに680名が勤務しており、2031年までに計1,400名の雇用を計画しています。
持続可能性の取り組みとしては、北米の富士フイルムグループ全拠点で導入するバーチャルPPAを通じた再エネ電力証書の購入により、新拠点の電力使用に伴うCO2排出を100%相殺します。太陽光発電設備は2026年4月までに本格稼働し、これらの施策は富士フイルムグループの「Sustainable Value Plan 2030」や2040年度のエネルギー起因CO2実質ゼロ目標に寄与します。開所式には連邦・州・市の関係者や地元教育関係者、建設・顧客関係者らが出席しました。
詳しくは「富士フイルム株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權
