
2025年9月25日、トヨタとWbyTが開発した実証都市「ウーブンシティ」が公式ローンチを迎え、Inventor20組とWeaversの居住が本格始動しました。ナオト・インティライミ氏のアーティスト参画や、10月14日までのアクセラレータ公募など、生活と技術が交差する「カケザン」が動き出します。
実証都市としての設計と共創の仕組み

トヨタのウーブンシティは、街全体を実験場とすることで「生活」そのものを実証環境に変える試みです。地上は「歩行者専用」「歩行者とパーソナルモビリティ共存」「モビリティ専用」の三本の道に分類され、さらに地下に天候に左右されない四本目の道を整備します。街路灯や信号、センサー類を一体化した多機能ポールが常時データを収集し、信号はモビリティ連動で切り替わる設計です。こうした物理インフラとデジタル基盤の連携により、多様なモビリティやサービスの実証が同一の場で可能になります。
共創の中核は「カケザン」という掛け算の発想です。企業や研究者、アーティストら20のInventorが参画し、トヨタグループ12社を含む多彩なテーマが並びます。例としてダイキンの「花粉レス空間」や日清食品の食環境検証、UCCの創造性検証、トヨタのe-PaletteやPMVといったモビリティサービスの実運用があります。Weaversとして入居する住民は実証の体験者・評価者となり、フィードバックが即座に発明の改善に生かされます。ナオト・インティライミ氏は初のアーティストInventorとして、テーマ曲とサウンドシンボルのプロデュースを手掛け、文化的な検証も街づくりに組み込みます。
外部参画の入り口としては、9月8日から募集を開始したアクセラレータープログラム「Toyota Woven City Challenge – Hack the Mobility -」があり、スタートアップや大学・個人のアイデアを10月14日まで受け付けます。Phase1ではトヨタ関係者とその家族など数世帯が居住を始め、最終的には約300名規模を想定しています。一般ビジターの受け入れは2026年度以降を予定しており、まずは限定された実生活データを元にした頻度の改善サイクルを回すことが狙いです。
詳しくは「トヨタ自動車株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 小松
