
IBMは2025年10月に「IBM AI Lab Japan」を立ち上げ、虎ノ門のInnovation Studioを起点に国内でのフルスタックAI共創を本格化します。AIエージェントからチップまで一気通貫で開発する狙いは何か。産業の生産性とソブリンAI確立へ、期待と疑問が高まります。
IBMの狙いと3つの共創領域
IBM AI Lab Japanは、IBMの技術力と研究・コンサルの知見を一点集約した日本向けの戦略拠点です。2025年10月の稼働開始を目指し、AIエージェント、AIソフトウェア、ハイブリッドクラウド、そしてAIチップなど、フルスタックAIを対象に共創を進めます。Think Japanでの発表によれば、国内企業がAIの利点を最大化できる環境整備が目的です。
第一の領域は日本市場向けの製品開発と実装支援です。東京ラボラトリー内にソフト・ハードの開発拠点を置き、海外部門とも連携して日本企業特有のニーズに応える製品改良を加速します。ここではAIエージェントの社会実装支援や、AIチップの顧客製品への実装支援が明確に示されています。
第二と第三の領域では、AIソリューションの共同開発とAI組み込みの推進を掲げます。企業データとAIを安全に運用する統合管理基盤の設計・開発や、規制の厳しい産業向けのソブリンAI、業界特化型AIの開発にも注力します。成果はパートナー経由で展開し、一部はオープンソースに提供してエコシステムを広げる計画です。
IBMは虎ノ門のIBM Innovation Studioを起点に、ワークショップやデモ、概念実証を通じて伴走型の実装支援を行います。既にさくらインターネットとの協議や松尾研究所とのパートナーシップ協議も進行中であり、国内外拠点と連携して産業変革のスピードを上げる意図が示されています。
詳しくは「IBM」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權
