
京セラと京都フュージョニアリングが共同開発契約を締結。KVIF‑Iによる出資を伴い、SiC複合材やSOEC部品でフュージョン実用化を一気に前進させます。
共同開発と出資の狙い

京セラは京都フュージョニアリングと、フュージョンプラント向けセラミックスの共同開発契約を結びました。京セラが持つ高度なセラミックス技術と、京都フュージョニアリングのフュージョン材料・工学の知見を融合させる狙いです。加えて京セラは、グローバル・ブレインと設立したKVIF‑I(1号)を通じて同社に出資し、技術連携と資本面での支援を強化します。
開発の焦点は主に三つです。第一に、シリコンカーバイド(SiC)複合材で高温・高中性子照射環境に耐える構造部材の実現を目指します。第二に、トリチウム回収に関わるSOEC(固体酸化物電解セル)関連部品の耐久性向上を図ります。第三に、ブランケットや燃料供給システムなどプラント全体での部品技術を共同で探索し、実装に向けた技術基盤を整えます。
京セラ側は長年の材料技術をフュージョン用途へ展開する機会と位置付け、京都フュージョニアリング側はオンリーワンの製造技術と連携して開発を加速すると表明しています。両社は共同研究を通じて、実証・量産に向けた部材設計と製造プロセスの確立を目指します。出資を通じた緊密な協業は、実証試験やスケールアップ判断を迅速化する効果が期待されます。
詳しくは「京セラ株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權
