
2025年1月、米コロンビア大学の研究チームが、細胞の遺伝子発現をほぼ実験精度で予測するAIモデル「GET(General Expression Transformer)」を開発したと発表しました。Nature誌掲載の本モデルは、ヒト胎児および成人の213種類の細胞タイプにまたがるデータを学習し、未知の細胞タイプの遺伝子活動予測にも高い汎用性を示しています。
GETは、クロマチンのアクセシビリティ情報やDNA配列だけを入力として使用し、実験を待たずに、細胞の中でどんな遺伝子が活動しているかを推定できます。さらに、従来のモデルでは見逃されがちだった遠隔DNA領域の調節因子や、リンパ球に特異的な転写因子間相互作用も抽出し、白血病のリスクとなる遺伝子変異のメカニズム解明にも貢献しています。
このAIモデルの最大の強みは、未知の細胞タイプや新たな計測技術に直面しても高い精度を維持する「汎用性」です。まさに、”細胞の声を聞く”新時代の予測手法として注目されています。
詳しくはコロンビア大学まで。
— レポート/DXマガジン編集部
